ツリーベル教育研究所  【すーさんの学校】

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256【すーさんの学校】入りやすく、見えにくい場所

 平成13年の大阪池田小学校の事件以降、「不審者」に対する対策対応教室、避難訓練などが全国の学校で行われるようになりました。
しかし、学校は安全な場所でなければならないので、むしろ、学校外で自分の身を守る対策を考えなければならないかもしれません。
現に、全国で考えられない事件も起きていますからね!
 不審者というイメージは、人によってとらえ方が違いますが、子どもたちに聞いてみると、黒い服、マスク、サングラスといったイメージがあるようです。
しかし、「人」の心の中は見えないし、「危ない人」は、できるだけ目立たないように振る舞うはずです。
故安部元総理が亡くなった時のことは、まだ記憶に新しいと思っています。
 また、まだ犯罪を行っていない「人」を犯罪者扱いすると、人権侵害になってしまいます。
よって、不審者という名の「危ない人」から、犯罪を予測することは不可能に近く、危ないかどうかは、「人」の姿を見ただけでは分からなくなっています。
日本という国は、それだけ安心安全な場所であることは間違いないことだと思います。
 このように、「不審者」にばかり意識がいってしまっても、防犯効果が期待できず、人権侵害や人間不信といった副作用を起こしてしまいます。
よって、防犯効果が期待でき、しかも、副作用を起こさない、見ただけで分かる「危ない場所」に目を向けなければなりません。
 犯罪には、成功しそうな場所と失敗しそうな場所があります。
そのため、犯罪者が選んだ場所の特徴や共通点が研究されていました。
その結果、犯罪者が好む場所は、「(だれもが)入りやすく、(だれからも)見えにくい場所」であることが分かってきました。
 「入りやすい場所」では、簡単に怪しまれずに標的に近づくことができます。
犯行後すぐに逃げられそうなので、捕まりそうな雰囲気がないのだそうです。
一方、「見えにくい場所」では、だれにも気づかれないまま、たたずむことができ、邪魔されずに犯罪を完結できるそうです。
また、目撃されにくく、警察に通報されることもなさそうなので、捕まりそうな雰囲気もないそうです。
 この「入りやすい」「見えにくい」という条件は、管理が行き届いてなく、犯罪者に警戒心を意識させることができません。
よって、気軽に立ち入ることができる「入りやすい場所」になり、さらに、無関心な人が多く、見て見ぬ振りをしてもらえそうな「見えにくい場所」にもなっているようです。
 安全教育にとって必要なことは、この「入りやすい」「見えにくい」というキーワードを子どもたちに意識させることです。
だから、不審者という「危ない人」に意識するのではなく、「危ない場所」を日頃から意識させるようにしなければなりません。
さらに、学校だけでなく家庭でも、地域でもこのようなことを話題にしていくが、自分の身を守ることにも繋がっていくと思います。
 本来なら、このような不審者がいなくなることが理想です。
場所にしても、入りやすく、見えにく場所であっても、安心できるような環境でなければならないはずです。
 そのためには、人を思いやる心、生き物を大切にする心を育て、世のため人の為に尽くしていく人づくりの方に、意識を向けていきたいものです。
 日本の歴史が語っているように、日本という国は、それができる民族なのです。!(^^)!

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