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メルマガお米炊飯研究所 配信No.67『お米が余りはじめた日本。そして私たちの未来』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。
先月はプライベートでいろいろあり、メルマガをしばらくお休みしてしまいました。
楽しみにしてくださっている皆さまには本当に申し訳なく思っています。
また少しずつ配信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さてーー
お米の世界はいま、大きな転換点に差し掛かっています。
今年の夏頃までは「お米が足りない」と言われていましたが、ふたを開けてみると令和7年産の作柄は全国的に
「平年並み〜良」。
特に西日本では猛暑や水不足・大雨で心配されていたにもかかわらず、なんと 31地帯が「作柄・良」という結果でした。
今年から統計手法が「作況単収指数」に変わり、令和7年の指数は 102(=平年比2%増)。
つまり「やや豊作」です。
今回のテーマは
「お米が余りはじめた日本。そして私たちの未来」
■ では何が“問題”なのか?
作柄が良かっただけなら問題はありません。
本当に大変なのは、
「不足すると思って買い集めたお米が、余り始めている」
という事実です。
背景には次の4種類のお米が同時に動いていることがあります。
・令和6年産米(昨年の不作で高騰したお米)
・備蓄米の放出(まだ流通中)
・輸入米(アメリカ産カルローズが大幅増)
・令和7年産の新米
これらが市場で積み上がり、流通を圧迫しているのです。
■ 行き過ぎた高値の反動が始まる
昨年から今年前半にかけて、「不足する」と見込んだ業者は高値でも買わざるを得ませんでした。
ところが蓋を開けると余り気味。
仕入れ値より安く売らざるを得ず、大赤字。
本州の仲間の米屋は
「例年の50%しか売れない」
と嘆いています。
これから米業界は荒波の中に入ります。
■ 価格下落は「消費者の得」で終わらない
お米が安くなるのは、一見すると歓迎すべきこと。
しかし問題はその裏側です。
● 生産者の収入が激減する
● 農家が離農し、作り手が減る
● 日本の米づくりそのものが縮小していく
これは“誰かの問題”ではありません。
日本の食卓そのものの問題です。
サラリーマンで言えば、
「ある日突然、給料が半分になる」ようなもの。
その状態で仕事を続けられるでしょうか?
米づくりも同じです。
生産者は“未来があるかどうか”で作付けを決めます。
■ 12月は「日本の米の未来を占う月」
・価格が落ち着くのか
・投げ売りが広がるのか
・作付け意欲がどう変わるのか
年末の流通の動きが、来年以降の米づくりを大きく左右します。
■ 私たちの未来は、私たち自身が選びます。
私たちは何を食べて生きていくのか。
価格だけを見るのか。
生産者が持続できる未来を選ぶのか。
米の未来は、
生産者や流通だけではなく、
消費者である私たち一人ひとりの「選ぶ力」にかかっています。
今こそ、お米の未来をともに考える大切な時期です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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