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#43 佐藤進一の万能健康法 認知症
#43 佐藤進一の万能健康法 認知症の家族を持つ方へ エピジェネティックスの話
ヴィム・ホフ・メソッド認定インストラクターの佐”’藤’進一です。
"クリス・ヘムズワース:父と絆のこころ旅"
https://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/3490ApoE4」という遺伝子
映画の宣伝(2分くらい)
https://youtu.be/bJtFW5PQ7NU?si=EhVNVyWSR4U-em1c
マーベル作品「マイティ・ソー」でソー役を務めるクリス・ヘムズワースは、ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリー・シリーズ「リミットレス with クリス・ヘムズワース」の中で検査を受けた結果、APOE遺伝子を父母から受け継いでいてアルツハイマー型認知症を発症する危険性が10-20倍高いことが分かり、2022年11月21日、一時休業を発表しました。先週Disney+で"クリス・ヘムズワース:父と絆のこころ旅"見たのですが、撮影は3年前の2022年頃に行われていたんですね。
"俳優クリス・ヘムズワースさん一時休業へ アルツハイマー病発症の危険、番組で発覚"
https://www.bbc.com/japanese/63712188
母の脳血管型認知症が発覚したのが2021年、それから母の介護をしています。
私の場合はアルツハイマー型認知症に関連すると言われている遺伝子をほとんど持っていません(2/23)が、レヴィー小体型認知症のリスク遺伝子は(3/4)持っています。
アルツハイマー型認知症のリスク遺伝子APOE CR1 TREM2 MS4A6A ABCA7など23のうち2つだけ保有)と、かなり低リスク群に分類されます。
レヴィー小体型認知症のリスク遺伝子GBA TMEM175 RP11-67M11 APOEの4つのうち3つを保有 ただし日本人の平均値 これは、GBAとAPOEがあると罹患率が100%以上上がるが、TMEM175は罹患率が25%上がるだけ 遺伝子によって影響力がだいぶ違うので、それを計算に入れて重み付きでリスクを算出しているため
遺伝子を持っていても、発現する条件がそろわないと、発現・発症しないので、発現しにくい環境を用意することが予防には大切になります。認知症の場合は、血行改善とアミロイドβ・タウタンパクなどを減らす事、社会参加が発症・症状の進行を遅らせるために重要な要素です。要するに食事と社会参加。
私が母の認知症治療のためにやっているのは、栄養状態の改善と、できるだけ一緒に夕食を食べて、話すことと、冷水シャワーや薄着を勧めることです。これで認知症進行のスイッチが切れてくれるといいのですが、、、
サプリメントの類で効いた感じがしたのはイコサペント酸エチルEPAだけでした。NMN VitaminD も理論的には効きそうですが、辞めて症状が悪化したりはしませんでした。EPAは中断すると、認知症も歩行能力も3割減くらいの印象です。脳MRIで血行が悪い色調だったので、血行を改善するEPAが効いたのは病態に合っているから予想どおりではありました。
時々私が子供の頃のアルバムを一緒に見るというロバート・バトラーの回想療法をやっているのですが、
"クリス・ヘムズワース:父と絆のこころ旅"の中では、30年前に住んでいた家のソファーなどの家具や、ブラウン管のテレビやゲームボーイ、当時作っていた模型などを忠実に再現しています。さらに社会回想療法といって、40年前に住んでいたダーウィンの村に行って、当時の友達と会うというものです。認知機能が上がったかは分かりませんが、表情が明るくなった感じがしました。
コロナ明けに、母を鹿児島の伯母のところに連れて行った時に、急に元気になって、よくしゃべるようになったことを思い出しました。もう一度、親戚に会いに行こうかと思います。
エピジェネティックスについて
遺伝子は環境によって発現が影響を受ける つまり、環境変化に応じて遺伝子は発現する
このことは生物の適応性・順応性の重要な要素です。
エピジェネティクス(後成遺伝学)では、同じ遺伝子構成でも、環境要因が遺伝子の発現や機能に影響を与えることが明らかになっています。例えば、気温や栄養状態が遺伝子発現に変化をもたらすことがあります。DNAメチル化(遺伝子発現を抑制)やヒストン修飾(転写の促進と抑制の両方)などのメカニズムが関与していると考えられています。
乳がんの発生機序にはDNAメチル化が深く関わっているので、興味のある方は勉強してみて下さい。
急性白血病の抗がん剤にもDNAメチル化を利用したものがあります。
これがもっと早く開発されていたらK-1のアンディ・フグ選手とか救えたのかもしれません。
双子でも食事で体調が変わるという話、食事という環境が変わることでエピジェネティックス的に遺伝子発現がかわっていそうですが、その点はあまり詳しく語られていません。
下北半島に棲むニホンザルは極めて寒さに強く、九州地方・千葉県・和歌山県のニホンザルは寒さに弱い
その個体だけが順応するのではなく、男性不妊によって、環境に適した子孫が生まれてくる。
群れ全体が何世代にも渡って、次第に環境に適応してゆくことになる。
サツマイモは本来 薩摩藩の特産品なので、寒さに弱いはずですが、2005年から北海道でも生産が再開し、2023年には作付け面積100haを超えました。
ちなみにディスニーランドとディズニーシーで100haです。農地の広さとしてはまだまだ狭いですかね。
気候の温暖化、農業技術の進歩、サツマイモが寒冷に適応という多面的な要因によって、北海道は一大サツマイモ産地に!
エアコン・洋服、食品添加物・環境汚染、ヒトが温暖に適応という多面的な要因によって、ヒトが、寒さに適応できなくなってきている事と構造的によく似ていると思っています。
この逆をやって、冷暖房なし、ホールフード、寒冷暴露によって、祖父母のように自然環境と調和した日本人に戻りたいというのが、私がヴィム・ホフ・メソッドをやっている哲学的な理由です。とはいえ理想を掲げるだけでは長期的な実践・習慣化には結びつきません。呼吸法が単に気持ちいいから、寒冷暴露をやると一日体調がいいから、など身体的なレベルでの快楽主義も習慣化する上ではもっと重要だと考えます。
【佐藤進一の万能健康法サイト】Kindle本ランキング1位を獲得した「ヴィム・ホフ・メソッド実践マニュアル」著者であり現役の整形外科医が、心身の健康と潜在能力開花をもたらす万能健康法をまとめていく。
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