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メルマガお米炊飯研究所 配信No.65『お米の未来を、誰が決めるのか』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。
ここ数日、SNSやインターネットニュースでお米の価格が暴落するかも、という話題が取り上げられています。
これは、私たちの食卓や暮らしにも大きく関わる、見過ごせない動きです。
今回のテーマは、『お米の未来を、誰が決めるのか』
既報のとおり現在の市場には、次の4種類の米が混在しています。
・令和6年産米
・備蓄米(3月から放出され、現在も流通中)
・輸入米(主にアメリカ産カルローズ。民間輸入も増加)
・そして新米の令和7年産米
この4つが同時に動いていることが、混乱の最大の原因です。
備蓄米はマーケットの米価を下げる目的で3月から放出され未だに流通しています。
輸入米は主にアメリカ産カルローズですが、令和6年産の米価格高騰を受けて政府主体の輸入のみならず、民間輸入も大幅に増え、大手飲食店でのブレンドなどでの利用が増えてきました。
そしてあれほど、不足している、と言われていた令和6年産米は、昨年秋から夏までの出荷制限による米余りが顕在化し、令和7年産の出荷を停滞させています。
つまり、令和7年産の新米流通が想定以上に滞っている現実が露わになってきたのです。
これは大変なことで、消費する生活者には値下げへ転じる期待が生まれますが、流通業者にとっては高値で買い取ったお米を損をしてでも販売しなければ、倉庫も空かず、資金繰りは苦しくなり、売れば売るほど赤字に転落する事態が生じる懸念がでてきます。
それは流通業者のみならず、生産者においても価格の低下と在庫が滞留し、値下げしてでも販売しなければならない事態にも陥ります。
これは産地の崩壊につながります。
鈴木農林水産大臣は備蓄米の買入を21万トンとし、生産調整は続ける、と仰いました。
前の石破政権下では増産の方針が伝えられましたが、増産して米が溢れるようになると需給の関係で必ず米価の低落が始まります。
50年間下がり続けた米価がやっと値上がりし、生産者も我慢と辛抱から少し解放されて、やっと未来が見えてきた段階でまた価格が下がってきたら、もう「やってられない」と生産放棄ということだってあり得ます。
先日農業関係者が来社し、来年の作付け方針を大変悩んでおられました。
基本的には生産調整であまり過度に増やさなくてもよいのでは?という基本的な考え方ですが、多くの生産地は増産意欲が高まっていて、それに水を差すことになるのではないか、との懸念と、しかし米が余ったら価格は暴落するかもしれない、しかし…来年の天候次第ではどうなることやら…と決めかねているのです。
未来を透視できるのなら、と本当にそう思います。
いまこの11月はこのような状態。
そして12月、年末の米の流通の如何が来年の先行きを決めます。
今まさにお米流通の正念場が到来します。
私たちの未来は私たちが決めます。
私たちは何を食べて生きてゆくのか。
それは、生産者や流通だけでなく、
私たち一人ひとりの「選ぶ力」にかかっています。
今こそ、お米の未来を共に考える正念場です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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