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メルマガお米炊飯研究所 配信No.62『お米の流通の歴史』─ヤミ米から令和の米騒動まで
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。
■ ご無沙汰しております!
10月に入り、新米の入荷ラッシュ。
毎日バタバタしておりまして、2週間もメルマガをお休みしてしまいました。
楽しみにしてくださっていた皆さま、本当に申し訳ありません。
さて今回は、秋の実りに感謝しながらも、
「お米の流通って、そもそもどうなってるの?」
という視点で、ちょっと真面目なお話をお届けします。
今回のテーマ
「お米の流通の歴史」─ヤミ米から令和の米騒動まで
■ 食糧管理法の時代(1942年〜1995年)
お米の流通は、もともと国が管理していたことをご存知ですか?
1942年(昭和17年)、戦時下の食糧不足を背景に制定された「食糧管理法」。
これは米や麦などの主要食糧を政府が買い上げ、安く消費者に販売するというもので、
戦後も「二重米価制度」として続けられてきました。
一方で、この時代の米屋は「仕入先は一社一卸」「販売地域と店舗数も制限あり」と、
まさに専売制度のもとでの営業。
原則として農家から直接米を仕入れることはできず、
もし仕入れたらそれは「闇米(ヤミ米)」と呼ばれたのです。
■ 転機となった平成の米騒動(1993年〜1995年)
1993年(平成5年)は、記録的な冷夏で全国的に大凶作。
この年の米不足が「平成の米騒動」です。
1994年には、農家からの闇米が出荷されたというニュースも流れ、
流通の在り方が社会問題となりました。
これをきっかけに、1995年に「食糧管理法」は廃止。
新たに「食糧法」が施行され、流通の自由化が進みます。
■ 食糧法の時代(1995年〜現在)
食糧法の下では、米の生産量は政府が直接管理せず、
民間流通による調整を前提とした仕組みになりました。
このおかげで、千野米穀店も仕入は米卸一社だけでなく、
信頼できる農家や農協からも直接仕入れることが可能になりました。
今では当たり前のように感じるかもしれませんが、
実はこれ、まだたった30年前からの話なのです。
■ そして令和の米騒動(2024年)
ところが昨年2024年(令和6年)、
再び「米騒動」と呼ばれるような出来事が起こりました。
「米は足りている」とする政府の発表とは裏腹に、市場では米価が高騰。
民間流通の情報把握が甘く、生産量の実態と需給バランスがかみ合わない状況が露呈しました。
この混乱に対する対応として、政府は2025年(令和7年)1月31日に「食糧法の基本方針」を見直し、
これまで制限のあった政府備蓄米の放出条件を緩和し、市場へスムーズに供給できるようにしました。
現在では、小泉農水大臣の決定により「買戻し条件なしの備蓄米放出(随意契約)」も実施されています。
■ 米屋として、いま思うこと
わずか30年前までは米の販売が厳しく統制され、「ヤミ米」という言葉がニュースを賑わせていた時代もありました。
そして今、米の価格高騰・備蓄コメ政策の迷走・生産者の高齢化・後継者不足……
あらゆる課題が再び重なり、
「もう一度、食糧管理法に戻すべきでは?」
という声すら、業界内から聞こえるようになっています。
政権が変わるたびに政策の方向性も揺れがちですが、
私たちの主食「お米」が、これからどう扱われていくのか。。。
お米に携わる者として、しっかり見届けていきたいと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も「お米の深い話」、お楽しみに!
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いただいた質問の中から德永がメルマガにて回答いたします
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