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完璧の3つ顔、そしてポンペキ!
先日、日本民藝館で出会った陶板に、こんな言葉が焼き付けられていました。
「ないものはない みるだけしかない」
そして棟方志功の言葉にも、
「花を見ている 花も見ている」
というものがあります。
どちらも“見ること”の不思議な力を感じさせる言葉。
そこから、今日は「完璧」について考えてみたいと思います。
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完璧って、そもそも?
実は私、長いあいだ「完璧」の“璧”を“壁”だと思っていたんです(笑)
でも本当は「璧」という字は“宝玉”のこと。
「完=欠けのない」「璧=美しい玉」で、
つまり“傷ひとつない宝石”という意味なんです。「かべ」じゃないから~(笑)
そこから転じて「欠点がないこと」を“完璧”と呼ぶようになったそうです。
でも、本当にそれだけが完璧なの?
ということで考えてみました。
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完璧にはいくつもの顔がある
1.職人の完璧
こぎん刺しのように、一針も狂わず緻密に揃う美。
徹底した積み重ねの末に生まれる、揺るぎない到達点です。
2.わびさびの完璧
器を整えたつもりが、焼いたら歪んでしまった…。失敗?
でもその歪みが味わいとなり、逆に心を惹きつける。
不完全を含めて“完成”とする、日本ならではの感覚です。
3.そぎ落とす完璧
桃山時代の画家・長谷川等伯の《松林図屏風》では、松林を描くのに木々の数を減らし、余白を大きく残しています。
描かない部分にこそ霧や空気を感じさせる、不思議な迫力「余白の美」といわれるもの
これは生け花にも通じる発想で、「何を加えるか」ではなく「何を残すか」に美を見いだしています。
すごいなぁ~日本の美学!
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そして、もうひとつの完璧
最近、自愛のメソッドでこんな表現を耳にしました。
「ポンコツでも完璧=ポンペキ」
なんてユーモラスな言葉 ワクワク!
どんな形であれ「これでいい」と自分を認めてあげられること。
それもまた、心を整える大切な“完璧”の形かもしれません。
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完璧は、ひとつの姿だけじゃない!
職人の手に宿る完璧もあれば、歪みや余白を含む完璧もある。
そしてもちろん――
みんな違って、みんなポンペキ!
あなたにとっての完璧は、どんな姿をしている?