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メールマガジン バックナンバー
母との関係がくれた伸び代
秋の空気が深まってきましたね。
少し涼しくなった今、
自分の心に耳を澄ませたくなる季節です。
私は長い間、母との関係で悩んできました。
母は私を「安希はこういう子」と決めつけるような言葉を、
何気なく口にする人でした。
そのたびに私は、
「私はそんなこと思ってない」
「それはお母さんの考えでしょ」
何度も何度も母伝えてきました。
母が描く“娘像”と本当の私の間には、大きなズレがありました。
心の奥ではいつも――
「それは、私じゃない!」
そう叫んでいたのです。
けれど、何十年もそんな日々が続くと、
自分でも自分が分からなくなってくる。
そのうち「私が悪いのかな?」と
自分を責める気持ちまで湧いてきて、
ただただ苦しかった。
何度勇気を出して母に気持ちを伝えても、
返ってくる言葉は
「安希の言ってることが分からない」
その一言に、何度失望したか分かりません。
「どう言ったら分かるんだろう」
「私の伝え方が悪いのかな」
ずっと悩み続けてきました。
――でも今なら分かります。
母は“分からない人”だった。
そして、どんなに伝えても
「分かってほしい気持ち」は
自分の中から消えないのだということも。
この経験は、私に大きなギフトをくれました。
母に分かってもらえないからこそ、
私は徹底的に自分の気持ちを見つめ、
自分の声を聞く力を育てることができたのです。
50歳を迎えた今、
私はまだまだ未熟な部分もあるけれど、
それも“伸び代”だと感じられるようになりました。
悩んだ時間があったからこそ、
他者との境界線を学び、
人を思いやる心の器を少しずつ広げることができたのだと思います。
悩みはただ苦しいだけのものではなく、
もののみかたを変えた時、
未来への養分に変わっていく。
もし今、誰かに分かってもらえずに苦しんでいる人がいたら――
その時間はきっと、
あなたが自分の本当の声を見つける
大切なプロセスなのかもしれません。
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🌿今日も一つワークをご紹介します。
今日一日を振り返って、
「嫌だったこと」を1つ書き出し、
そのおかげで得られた小さなギフトを探してみてください。
もののみかたが少し変わるだけで、
心がふっと軽くなるかもしれません。