ツリーベル教育研究所  【すーさんの学校】

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164【すーさんの学校】「仁恕」(じんじょ)という言葉

 神戸市にある玉津中学校の66回生の作った合唱曲”充”の中に「仁恕」(じんじょ)という言葉が出てきます。あまり、なじみのある言葉ではありませんが、いわれは、昭和46年7月6日に碑の除幕式に当時の教育委員長の木戸只一さんが玉津中学校の心のよりどころとして示されたものだそうです。
 この文は、その除幕式で述べられた言葉です。

 「仁というのは、互いになかよくするということです。
友どうしがいたわりあい、なかよく人生をおわっていく、これが仁です。
 恕というのは、他人を思いやることです。
つまり、友だちの悲しいときには自分も悲しんであげ、友だちの喜びには自分も心から喜んであげるのです。
また、友だちが失敗してもゆるしてあげる、こういうのが恕なのです。
 この仁と恕のふたつができたら最高ですが、そんなすばらしい人はこの世の中にはなかなかおりません。
だから、あなたがたはひとつだけでよいから行いに心がけてください。
仁ひとつでもよいし、恕ひとつでもよいのです。
どちらでもよいから、広くおもいやりの心をもって、人さまに接してあげられる人になってくださればありがたいのです。」

 昭和46年の話しですが、今も同じだと思います。
むしろ、今の時代、人とのコミュニケーション能力不足がいわれているだけに、大切にしてほしい言葉です。
 この言葉の中で、どちらか一つでもできればと言っていますが、「仁」も「恕」もつながっていると思います。
仲よくするためには、思いやることが必要だし、おもいやることができれば、仲良くできるはずです。
たぶん教育委員長は、このことも分かって、無理をしないように言ってるのだろうと思います。

 この「仁恕」について、二つ大切な事があります。
 一つは、「仁恕」という言葉だけを、壁や石碑として飾らないことです。
つまり、飾ってるだけでは意味がないからです。
誰もが、この言葉の歴史を学び、意味を理解し、説明できなければなりません。
そのために、学校が生徒に責任もって繋いでいくことが必要だと思います。
 もう一つは、実践です。
言葉は人を動かすことができます。
学校というところは、人間関係で色んなことが起きて当たり前のところでもあります。
それを、正しい方向に導くために、先生という仕事があるます。
学校の生徒に限らず、心が揺れて折れたり、折れそうになったりするのが人間です。
だからこそ、思いやりとか心を鍛えて、人磨きをしていかなければならないのだと思います。
 
 人は、お互いさまの中で、支えあって生きていくから、幸せを感じることができます。
 先ずは、我々大人がもっと、思いやりの心を行動で子どもたちに見せていかなければならないと考えています。!(^^)!

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