德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.55『米価高騰と米余り、その先にあるものは?』

「もっとお米のこと、知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ” をお届けします。

今回のテーマは
『米価高騰と米余り、その先にあるものは?』について。

〜お米をめぐる最新動向〜

9月4日付の業界紙「商経アドバイス」一面には、
「作柄『おおむね良好』―42県が前年以上の収量(8月15日現在)」
との見出しが出ていました。
収穫量が前年を下回るのは岩手・宮城・秋田の3県のみで、ほかは「前年並み」か「やや上回る」との見通しです。

一方で、9月9日付の「日本農業新聞」には、
「主食米民間在庫『相当な水準に』」との記事。
来年6月末には226万トン規模に達する可能性があり、適正在庫200万トンを大きく超えると予測されています。
(昨年は民間在庫が160万トンまで下落、と発表されコメ不足が報じられました)

〜矛盾する現象と業界の混乱〜

同じ紙面には、
「『JAより高く』商系業者が攻勢」
との大見出しも。大手商社や異業種が参入し「他より高く買う」として産地で混乱が発生しています。

結果として「米余りが見込まれるのに価格は高騰する」という矛盾した状況が発生する可能性が。
業界は大きな混乱の中にあり、何が正しい情報なのか見極めが難しくなっています。

〜今後のリスク〜

さらに懸念されるのが、生産者の高齢化。今後5年間で70代以上の担い手が大きく減少すると予想されます。
このまま米価が大きく下落すれば、農業機械の更新も難しくなり、離農が加速するでしょう。

その先に待っているのは、再び「米不足」。
安定供給のために輸入米への依存が一層進むリスクがあります。

すでに大阪港では、アメリカ産カリフォルニア米のコンテナが相次ぎ到着し、荷下ろしに渋滞が生じているとの情報もあります。
輸入米は長距離輸送に耐えるため品質保持のための処理が施されていますが、
私はやはり子や孫にはできるだけ国産米を食べさせたいと思っています。

〜私たちは何を食べて生きるのか〜

大手外食チェーンの中には、輸入米の使用を明言するところも出てきました。
しかしここで問われるのは、単なる「価格」ではなく、「私たちは何を食べて生きるのか」という根本的な問いです。

日本の文化において米は、五穀豊穣や子孫繁栄の象徴でした。
繊細な味わいを感じ取れる日本人の感性こそ、世界に誇れる宝です。

この大切な食文化を守り、次世代へとつなぐために、
私は米屋として「お米の美味しさと尊さ」を、これからも丁寧に伝えていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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