AbiアートLab|感じる力を育むアートの実験室|神奈川県逗子

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ありのままって何だろう

8月のメルマガでは、
ちょっと熱く語りすぎてしまったかもしれません💦

43年の教育現場での経験をお伝えしたくて、
「未来をわくわく迎えるためにアートが出来ること」や
「アートで自分の“ありのまま”を見つけよう」というテーマで綴りましたが、
暑さのせいか、少し押しつけがましくなってしまったかもしれません。
今回は、頭を少し冷やして、「ありのまま」について、
もう一度ゆっくり考えてみました。
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先日、「“ありのまま”って何?」という問いかけに出会いました。
たしかに、「今の自分でいいんだよ」
「何もしなくていいんだよ」という言葉には、
どこか安心感があります。
でも、それが本当に「ありのまま」なのでしょうか?


誰かが言っていました。
「“ありのまま”とは、“今の自分を知ること”から始まるんです」と。
そして、自分の心のコンパスを頼りに、
小さな階段をひとつずつ登っていく。
目指す“理想の自分の姿”こそが、
自分らしさであり、“ありのままの自分”なんだと。


でも、その言葉を聞いたとき、
私は「ガーン!」と軽くショックを受けました(笑)

「今のままでいいんじゃなかったの?」って思った瞬間、
目の前に壁が現れたような感覚がしたんです。


私もつい「こうあるべき・ねばならぬ」にとらわれがちで、
心の中の“妖怪ネバネバン”(笑)に引っ張られそうになります。


でも、絵を描いているとき、たとえば、スケッチをするとき、
使う色だけを出すのではなく、すべての色を
パレットに並べておくようにと教わりました。
無意識が選びやすいように、あらかじめ準備しておくんですね。

色を混ぜたり、線を描いたりしているうちに、
いつの間にか“無”の状態になっている。


なぜその色を選んだのか? なぜその形になったのか?
理屈ではなく、手が自然と動いている。
まさに、自分の無意識にアクセスしている瞬間です。


言葉にできなくても、表現を通して気づける想いがあります。

そうやって、「ああ、自分ってこんなふうに感じてたんだな」って
知ることができるのが、アートの魅力。

ありのままの自分は、「こうでなければ」という枠を外したところにいます。

生き方としての“ありのまま”も大切だけど、
想いや感情を“ありのままに”表現することも、
自分を知るための大切な手がかり。


そして、その先に、“なりたい自分”が見えてくるのだと思います。

最初は大きく見えたその壁も、実は下の方に小さな扉がついていて、
アートを通して、そっとそこを開けて抜けていけるのかもしれませんね。

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