しぜんとお米 HINNA FARM ヒンナファーム

mail magazine backnumber

メールマガジン バックナンバー

新米5キロ5,000円突破か!?農家に支払われる「概算金」の意味

こんばんは!ヒンナファームの山崎雄介です🌾

長沼町は朝晩こそ涼しくなってきましたが、日中はまだ最高気温30度前後と残暑が続いています🥵
稲穂の色づきも日に日に増してきて、この調子ではどう見積もっても草取りの日程と稲刈りが被るため、対応に頭を悩ませています。
ちなみに過去5年間の稲刈り開始時期は9月中旬。3週間も早まるなんて想定外ですが、自然相手の仕事である以上こちらが合わせるしかありません。毎年いろいろありますね。

**********

◆新米5キロ5,000円突破か!?農家に支払われる「概算金」の意味

前回のメルマガの冒頭で少し触れましたが、今年の北海道米の概算金の報道を見て思わず声が出ました。
その額、ゆめぴりか30,000円、ななつぼし29,000円。(玄米1俵・60キロあたり)
つい先日、新潟のコシヒカリも29,000円と報道されましたね。
これがどういう意味なのかを少しお伝えしたいと思います。

「概算金」とは、農協が買い取った作物に対して農家に「ひとまず」支払われる金額です。
農協は作物を市場に卸して利益を得ますが、このとき農協の売る力(販路の多さやブランディングなど)や市場相場によって利幅は変動します。
この取引の結果に応じて金額調整を加えられたものが「精算金」となり、農家への支払い金額が確定します。
(尚、概算金には農協への手数料は含まれておらず、実際は出荷数量に応じた各種手数料が差し引かれます)

農協も商売ですので、当然しっかり利益を出せて、かつ在庫を捌き切れる価格を綿密に検討した上で概算金を設定しているはずです。

参考までに、ヒンナファームが開業した2020年(令和2年)から現在までの、ゆめぴりか玄米の概算金の推移をChatGPTにまとめて調べてもらいました。便利な時代ですね😊

【年産/60キロあたり概算金(円)/1キロあたり換算(円)】
2020年産(令和2年)/13,500/225
2021年産(令和3年)/13,500/225
2022年産(令和4年)/13,500/225
2023年産(令和5年)/13,600/226
2024年産(令和6年)/17,500/291
2025年産(令和7年)/30,000/500

比べれば一目瞭然。今年がいかに驚きの金額かお分かりいただけると思います。
では、この金額が意味するところは何でしょう?

市場の原則として、需要に対して供給量が少なければ価格は上がります。
つまり農協は、現時点での民間在庫量と今年度の全国の作況を調べた上で
「当分米不足は続く」
「この金額で買い取ってもちゃんと捌き切れるし利益も出せる」
と判断したものと考えられます。

市場で最大規模の流通量を誇る農協の買取金額は実質【最低ライン】です。
農家から直接買い付けたい業者はこれ以上の金額を提示するか、金額以外のメリットを農家に提示できなければ米を入手できなくなります。
なぜなら農家にとっては農協に出荷するのが一番楽ですので。

この金額に各所のマージンや諸々のコスト(乾燥・もみすり・精米・輸送・保管・包装・その他販管費)が発生するので、小売価格をおおよそ概算金の2倍と見積もると、今年の新米は5キロ5,000円を超えてくることも充分想定できます。
(裏を返せば、新米なのに妙に安い米には相応の理由があると見ることもできます。小売店の戦略か、あるいは・・・)

消費者としては家計が圧迫されて苦しいところですが、日本の米農家にとってはようやく見えた希望でもあります。むしろこれまでが酷すぎた。
今の価格は本当に高すぎるのか?次回のメルマガでは、この辺りの話に少し触れたいと思います。

**********

以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
本日も美味しく楽しい一日をお過ごしください!

HINNA FARM🌾
山崎雄介

📷Instagramで日々の出来事を発信中!
https://www.instagram.com/hinnafarm

💌お問い合わせやご感想等、いつでもお待ちしております!
mail@hinnafarm.com

メールマガジン バックナンバー

過去にお送りしたメールマガジンをバックナンバーとして公開しています。

メルマガを購読する