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メルマガお米炊飯研究所 配信No.49『お米の概算金について〜その仕組み』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。
みなさま、お盆はいかがお過ごしでしょうか?
ご家族で集まってゆったり過ごしている方もいれば、
「いやいや、お盆こそ稼ぎ時!」という方もいらっしゃるでしょう。
当社は大丸札幌店、円山精米所ともに年中無休。
今日もスタッフが店頭で頑張ってくれています。本当に感謝です。
今日のテーマ
『お米の概算金について〜その仕組み』
8月12日、ホクレン(北海道農業協同組合連合会)が、今年の「お米の概算金」を発表しました。
なんと昨年比1.7倍、一昨年比で約2倍という高値です。
概算金とは、農協が生産者に提示する「今年のお米の買取価格」のこと。
・生産者側から見れば → 農協への出荷価格
・農協側から見れば → お米の仕入価格
「概算」と呼ばれるのは、あくまで仮の価格だからです。
例えば昨年は、発表後に全国的なお米不足が判明し、「加算金」が上乗せされました。
逆に米余りの年は、売れ残りを防ぐために値下げして販売し、その分を差し引いて生産者に支払うこともあります。
「農協の仕組み(超要約)」
・農協は生産者の出資で成り立つ、日本特有の組織
・生産者は農協に販売を委託し、農協は一時的に買い取って販売
・販売後に手数料などを差し引き、生産者へ支払う
→ これが系統販売
・農協に属さない場合は商社や集荷業者へ販売
→ これが商系(商業系統)販売
~~なぜ今回、報道されたのか?(推測)~~
通常、農協の仕入れ価格=概算金は公表されません。
ところが今年は新聞各社が報じました。
*ここからは私の推測です。
昨年、大手商社が概算金より高く買い集めた結果、まるでオークションのように産地価格が上昇。
北海道産米が大量に本州へ流れ、日本全体の米価高騰を招きました。
そこで今年は、
「北海道内の米を高値で確保し、域外流出を防ぐ」
という狙いがあったのではないでしょうか。
「全国の作況は?」
ー新潟:猛暑と少雨で田んぼが焼ける被害
ー九州:災害級の線状降水帯
ー関東(茨城など):カメムシなどの虫害
ー東北:猛暑続きで品質に懸念
全国的に天候不順が続き、一歩間違えば再び米不足の可能性も。
九州から新米が出てきていますが、多くは自県優先での出荷です。
北海道で九州のお米を取り扱う業者から、入荷量が昨年の半分に減らされた、と聞きました。
全国的にそのような傾向になるでしょう。
「高値の意味」
今回の高い概算金は、生産者にとっては再生産や後継者への継承を考える大きな安心材料です。
生活者にとっては価格高騰は痛いですが、
「食べるものがあること」が生活の大前提。
私たちもお客様に寄り添った販売を心がけながら、
生産者と消費者の双方にとって良い一年を目指していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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