德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.48『炊飯講座での質問から〜ザル上げは必要ですか?』

「もっとお米のこと、知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。

今回のテーマ
『炊飯講座での質問から〜 ザル上げは必要ですか?』

先日、開業予定の飲食店スタッフ30名ほどを対象に、炊飯講座を行いました。
それぞれ自己紹介のあと、お米の計量、洗米、水加減、浸漬までを実演。
真新しいピカピカのステンレスシンクを使って、2升(3kg)×2回の洗米作業を行い、
まだ一度も使っていない業務用の新品のガス釜を使い、炊飯スイッチを押すところまで進めました。

お米を浸漬中に座学を行いました。
・お米の細胞構造
・洗米から炊飯までの大切な工程
・お米由来の食中毒の危害管理
・「お米が炊ける」とはどういうことか
などをお話しし、皆さん熱心に耳を傾けてくださいました。
この中で出た質問が「ザル上げは必要ですか?」。

米屋としての答えは「一般家庭では必要ありません」です。

洗米後にザルに上げると、お米表面が乾き始め、ひび割れが生じます。
炊飯中にそのひびが広がり、粒が割れてしまい、食感の悪いごはんになります。
このため、家庭ではザル上げはおすすめしていません。

しかし、プロの現場では意味があります。
お寿司やさんなどの厨房では、ザル上げが欠かせないことがあります。

1.粘りを抑える
洗米後に水を切り、加熱時だけで吸水させると、粘りが抑えられ、シャリがほぐれやすくなります。
寿司の口ほどけには、この加減が重要です。

2.加水量を一定にできる
水切り後の米は含水量がほぼ一定になるため、「ボウル2杯」といった簡易計量で常に同じ仕上がりに。
忙しい厨房では、この効率が大きな武器です。

3.浸漬後の水を捨てて粘りを抑える
浸漬水には溶け出したデンプンが含まれており、これを除くことで、ごはんのべたつきを防ぎます。

つまり、ザル上げは「粘りを抑え、作業効率と均一な仕上がりを実現する」ためのプロの技なのです。

家庭では必要ないけれど、業務用では有効。
同じ「ごはん」でも、場面や目的によって手法が変わります。
こうしたちょっとした違いを知っていると、炊飯の奥深さがぐっと広がります。

炊飯講座では、こうした質問が毎回のように出ます。
試験には出ませんが(笑)、知っておくと誰かに話したくなる知識ですね。

炊飯講座(有料)も承ります。
ご希望の場合は質問コーナーからもお問い合わせいただけます。
https://forms.gle/1Uu9J54qC7eCSfLb6

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お詫び
前回お伝えした「石垣島ちゅらひかり」ですが、内容中に「低アミロース米」とお伝えしましたが、間違いでした。
アミロースは一般的な含量(19%前後)で、一般的なうるち米です。
訂正してお詫び申し上げます。


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