AbiアートLab|感じる力を育むアートの実験室|神奈川県逗子

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大人が思う“子どもらしさ”は本当の子どもらしさ?

子育て中に、ふと心に残ったことがあります。

一緒に絵本を見ていたときのこと。
物語の中に登場するライオンを、
わが子は「ライオン」だと認識していました。
でも、よく考えてみたら、
この子はまだ本物のライオンを
見たことがないんです。

「ライオンって、
どんな生き物だと思ってるんだろう?」
そんな疑問がふと浮かびました。


子ども向けに作られたものって、
「子どもが好きそう」という
“大人の思い込み”に
あふれていることが多いですよね。
たとえば、人気キャラクターを模写すること。
これは、技術を学ぶ第一歩としても、
達成感を味わうきっかけとしても大切です。


でも、その延長線上で
「写真みたいに描ける=上手」という
価値観が定着してしまったら、
自由な自己表現が歪んでしまうのではないか、
と感じています。

そして、やがては
「絵心がない」「センスがない」と、
自信を失ってしまうことにも
つながりかねません。


なにも干渉を受けず、
創作の衝動がそのまま表に出てくるからこそ、
ピカソは「子どもは芸術家だ」と
言ったのでしょう。


大人が少したじろぐような、
「何を描いているのかわからない抽象画」を
子どもたちは自然に受け入れ、
感じたことを自分の言葉で話す力を持っています。


理屈ではなく、直感で感じ取り、
自由に発想する――
それが、
子どもの持つ本来の力なのだと思うのです。

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