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メルマガお米炊飯研究所 配信No.43『今年のお米、品質が…心配です』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。
全国各地で異常気象が続いています。梅雨明けが早く、猛暑と乾燥に悩まされる地域もあれば、猛烈な雨が続く地域もあります。
今日関東では猛暑でありながら、線状降水帯の注意報がでるなど、おかしな天気が続いています。
世界的に見てもアメリカ、ヨーロッパでも洪水、猛暑、干ばつなど気が滅入ってきますね。
日本近海の海水温が下がらないことからも、今年の夏は暑さが続くようです。
そうなると私たちはお米が心配になります。
今日のテーマは『 今年のお米、品質が…心配です』
イネも人間と同じで、昼間は暑くても夜が涼しくならなければ品質の良いお米が出来ません。
ヒトにとっての寝苦しい夜はイネも寝苦しいのです。
水田の水張りは、イネにとって温度の衝撃を和らげる意味もあります。
通常は日中に温められた水田の水は、夜の急激な気温低下でも水温が下がることはありません。
稲が急激な気温の上下に晒されないよう、水田の水が温度を一定に保ってくれるのです。
逆にイネの成長時期、幼穂成長期に酷い寒さに遭遇しても、水田の水がイネの根元の温度を一定に保ち寒さから守ってくれるのです。
ちょうど、赤ちゃんが寒い部屋でも、暖かい布団にくるまっているのと一緒です。
しかし、今の猛暑はどうでしょう。
日中も猛暑日が続き、雨が降らないと水張りも少なく、水温が夜でも下がりません。
つまり昼も夜もイネにとってはずっと暑い日々が続くことになるのです。
本来、水田の水はクーラーの役割をするのだけれども、それが機能していない状態です。
暑い日が続くとイネはどうなるでしょう?
イネは暑さからくる消耗で自らの体力を維持するために、養分を大量に消耗します。
光合成によってデンプンを蓄えながらお米が出来上がっていきますが、イネがエネルギーを消耗しているため、米がしっかりと実らず、いわゆる“シラタ”―水分を含まず、デンプンが白く固まった状態のお米になってしまいます。
これは穂が出る前後10日間くらいが勝負。
この時期にひどく暑いとシラタの多い米になるのです。
北海道では7月25日前後の十日間。
本州でも同じ頃かその一週間後くらいの頃合いです。
品種によってもそれより早い場合、遅い場合もありますが、概ねその時期です。
毎日、天気予報を見ては、胸がざわつく日々です。
備蓄米も放出されており、生産されたお米の収量が少なくなると、再び市場がお米不足に陥るおそれもあります。
天気予報が気になる毎日です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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