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メールマガジン バックナンバー
「美的感覚はどこから育まれるのか?」
こんにちは。
日々、何気なく
「これ、きれいだな」と感じる瞬間があります。
でもその“美しい”という感覚は
一体どこから来ているのでしょうか?
たとえば、
自分が「何に美しさを感じるのか」を探っていくと
思いのほか深いルーツが見えてきます。
私自身、
ディズニー映画とともに育った経験があり、
あの色彩(特に青!)やメロディ、
やわらかな世界観が、
今の好みに影響していることに
気づかされました。
美的感覚というのは
生まれ持った感性もありますが、
実は「どんな環境で育ったか」によって
大きく左右されるそうです。
特に子ども時代に
繰り返し見てきたもの、触れてきたものが、
心の中に
“美の記憶”として深く刻まれるのだとか。
だから、好きになる色、形、音、景色には、
必ず何かしらの背景があるのです。
では、美しいものに出会うには、
自然の中で育つのがいいのでしょうか?
それとも、
洗練された建築やアートに囲まれる
環境が良いのでしょうか?
答えは、「どちらも大切」
自然の中では
木々の緑や空の広がり、風の音など
五感を通して“感情に響く美”が育ちます。
一方で、
都市空間や美術館、着物の染めや織りのような
人の技に触れることで
“構成された美”や“意図された美”に気づく力が
磨かれていきます。
特に着物の美は象徴的です。
自然の色や素材をもとに、
人の手で精緻に再構成された美しさ。
これは、自然と人工の美が溶け合った
日本独自の感性のかたちかもしれません。
大切なのは、
子どもたちに「美しいと感じる体験」を
バランスよく与えてあげること。
日常では都市の洗練された美を味わい、
時には 山や海へ行って
自然の圧倒的な美に包まれる。
その対比と意識の繰り返しが、
豊かなセンスを育ててくれるのだと思います。
日々の暮らしの中で、
ふと立ち止まって「きれいだな」と感じる瞬間。
それを大切にする心が、
美意識の土台をつくっていくのかもしれません。