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メルマガお米炊飯研究所 配信No.41『神様に捧げる、おぼろづき』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター・Prof. 德永善也が
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。
今日は7月1日。早いもので今年も半年が経過しました。
今年の前半はコメ不足とお米の度重なる値上げ、そして備蓄米に翻弄された半年でした。
そして、これからいよいよ新米期へと突入します。
毎月1日の朝は私なりの決まり事があります。
今日のテーマは「神様に捧げる、おぼろづき」
私どもの会社には祖父の代からお世話になっている札幌諏訪神社さんから寄贈された神棚があります。
伊勢神宮由来の神棚ですが、神棚に祀られる「米・塩・酒・水そして榊(さかき)」
これをあたらしいものとすべて取り替え、柏手を打ちます。二礼二拍手一礼。
そして、実家にある祖父母の仏壇に手を合わせた後、車で30分ほどかけてお墓参りに向かいます。
その後、札幌諏訪神社本殿へお参りし、月の初めの一日、再びまた神前に来られたことを感謝し毎月の行事を終えます。
これを二十数年続けています。
この神事、仏事に関わっている時間は電話には出ません。
そういったことで関係者の方、ご迷惑をおかけします。
商売をしていると様々な環境や変化に対応せねばならず、神仏さえも味方につけて乗り越えられたらと思っています。
心から、そう願っています。
神棚に祀るお米は決まっています。
「美唄・阿部さんの『おぼろづき』」
平成15年(2003)頃から北海道で出回り始め、平成16年には千野米穀店でも本格販売。
平成18年(2006)に第8回米・食味鑑定士コンクールで、北海道米で初めて魚沼産コシヒカリなどと並ぶ最高金賞という栄誉に輝いたお米です。
美唄の阿部頼義さんがつくる「おぼろづき」
7年前に他界された父、義一さんから聞いたお話です。
平成15年(2003)は北海道米は冷害で品質も落ち、収穫量が少なかった年です。
雨の降る秋の夜。家から田んぼを眺めていたら、田んぼにドーンと雷が落ちて、その様子がまるで田んぼから龍が天に昇っていく様に見えた。
そのときに、この米は北海道を支えるすごい米になる、と悟ったんだ、と。
「おぼろづき」は漢字で書くと「朧月」。月偏に龍と書きます。
当時の北海道農業試験場(現 北海道能研センター)で開発されたお米ですが、当時はまだ系統番号の「北海292号」
品種名を「おぼろづき」と命名され、全道各地で試験栽培として栽培されていました。
まだ「おぼろづき」が一般的ではなかった頃の話です。
阿部さん(父 義一さん)は翌日、雷の落ちた田んぼへ行くと、円形にイネの焦げた痕を確認しました。
その周りを四角に竿を立て、四方を紙垂のついた注連縄(しめなわ)で祀り、米と酒をまく神事を行った、とのことです。
黒く焦げた周辺を丁寧に刈り取り、大切に保管しました。
あまり知られていない話ですが、人気の北海道米ゆめぴりかは、この「おぼろづき」があってこその品種です。
このお話は別の機会にします。
私はそれを聞いてから、神棚に捧げるお米は「おぼろづき」と決めています。
私にとっては「神様のお米」なのです。
そして、雷の落ちた周辺を刈り取った稲は、当社店舗に今もお祀りしています。
今でも美しい穂の色です。
現在「おぼろづき」は数量が少なく決まったお客様のみの販売となっていますが、
令和7年産新米よりツクツクでも販売予定です。
とても美味しいお米なので、ぜひ皆さまお試し下さい。
今月も良きひと月を。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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