德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.33『緊急企画:備蓄米の炊飯方法について』

「もっとお米のこと、知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスター Prof. 德永善也が、
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。

今回のテーマ:「緊急企画:備蓄米の炊飯方法について」

TVやニュースで連日報じられている“備蓄米”。
読者の皆さまも、そろそろ「もういいよ」と感じていらっしゃるかもしれません。

ですが、マスコミやTV局からも多くの問い合わせがあり、
中でもよく聞かれるのが

「備蓄米って、どうやって美味しく食べればいいの?」という質問です。

弊社・千野米穀店では
「随意契約による備蓄米は一切取り扱わない」
という方針を掲げています。

それでも、実際に備蓄米を購入せざるを得ない方がいらっしゃるのも事実です。
だからこそ、お米に携わる者として、きちんと情報をお届けする責任があると考えました。
【古いお米(古米・古古米)はどう変化するの?】

備蓄米といっても内容はさまざま。
令和6年産・令和5年産(古米)は大きな問題はないと考えていますが、
今回の随意契約による備蓄米では令和4年産・令和3年産の“古古米”“古古古米”も含まれています。

このような古米では、米の中で次のような変化が進んでいます

・脂質:リパーゼ酵素で分解され、遊離脂肪酸が増加 → 古米臭の原因に
・デンプン:アミラーゼなどの酵素で還元糖に分解され、粘りが弱まる
・たんぱく質:酵素により分解、うま味成分などのバランスが変化
  酵素分解以外にも、空気酸化で米の匂いや色の変化も起こります。

【美味しく炊くには「研ぎ」と「水加減」がカギ!】

 こうした変化に対応するには、炊き方をひと工夫することが必要です。

 ◆ポイント①:とにかくしっかり研ぐ!

  古米では特に、お米表面に劣化した物質が集中しています。
  普段のような軽い研ぎではNG。

  ・ゴシゴシ、ガシガシと力を入れて研ぐ
  ・お米表面の脂肪酸や変性デンプンをしっかり落とす
  ・これを、研ぐ→ゆすぐ→研ぐ→ゆすぐを3回繰り返します

 ◆ポイント②:水はやや多めに

  古米は水分が低下していることも多く、炊飯器の目盛りより少し上の水量がおすすめ。
  「たっぷりの水で煮る」イメージです。

 ◆ポイント③:しっかり浸漬させる

  古米のデンプンは脂質が絡んで水を吸いにくいため、水の浸漬にも時間がかかります。
  最低でも1時間〜2時間は浸漬させてください。

 ◆ポイント④ 応用テク:風味をまろやかに

  少量のお酒やオリーブオイル、もしくははちみつを入れて炊くと、古米臭がやわらぐことがあります。

【大切なのは「感謝して食べる」こと】

 どんなお米であれ、それは農家さんが手間ひまかけて作ったもの。
 備蓄米も、汗を流して育てられた尊い作物です。
 炊き方ひとつで、味も気持ちも変わります。
 お米と向き合う時間が、少しでも豊かなひとときになりますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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