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メルマガお米炊飯研究所 配信No.32『備蓄米ショックの続報!古古米が2,000円で店頭に? 』
「もっとお米のこと、知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスター Prof. 德永善也が、
【德永善也のお米炊飯研究所】より、
「そうだったのか!」と思わずうなる
“お米のあれこれ”をお届けします。
今回のテーマもNo.31から続く「備蓄米ショックの続報!古米が2,000円で店頭に? 」です。
最近、お米を配達しているとお客様からよくこんな声を聞きます。
「毎日TVではお米の話ばかりだよね〜」
「お米って大丈夫なの?」
「備蓄米って本当に出てくるの?」
そして、5月23日。
小泉農林水産大臣は予定されていた第4回入札を中止し、政府備蓄米の販売を「随意契約」とする方針を発表。
楽天の三木谷氏との会談を象徴するかのように、小売流通業界に直接販売する方針を打ち出しました。
しかも、5kg 2,000円で販売すると明言しています。
ここで販売されるお米は、2022年産(令和4年)、2021年産(令和3年)、つまり古古米・古古古米です。
それを小泉大臣は「減価償却された米」と表現しましたが、これは言葉の使い方として不適切です。
お米は国の「固定資産」ではありません。
政府備蓄米は、指定の低温倉庫(15℃以下)で保管されており、概ね産地ごとに管理されています。
一般には「古米(1〜2年前)」までは品質に大きな変化は見られませんが、3年以上経ったお米になると、“古米臭(こまいしゅう)”が強くなることがあります。
この「古米臭」は、脂肪がリパーゼという酵素で分解される過程で生じるもの。
脂質がでんぷんと絡みながら、副産物として独特な“ひねた匂い”が出てしまうのです。
しかもこの酵素は、低温や酸素がない環境でも働きます。
つまり、いくら低温で保管されていても、古古米となると匂いや味に変化が出てくることがあるのです。
私たち専門家から見ると、6月初旬に「5kg 2,000円」で店頭に並ぶというお米は、古米臭のリスクを含んでいると予想できます。
もちろん、保管環境によっては大きな品質劣化がないものもあるでしょう。しかし、それを見分けるのは一般消費者には難しいことです。
安さだけを理由に古米臭のするお米が店頭に並ぶ……その光景を想像するだけでも、私は不安を覚えます。
購入後にクレームが殺到しないか、心配です。
食べ物は、私たちの「身体」と「心」をつくるもの。
黄金色に輝く稲穂のように、お米は豊かさの象徴であってほしい。
今回の備蓄米放出は、あまりにも安易で、短絡的で、将来の展望が感じられない対応に見えてなりません。
皆さんはどう思われますか?
次回は「なぜ、ここまで米が高くなったのか?」を改めて深掘りしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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