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【健塾メルマガ】精神科病院内で頻発する患者虐待

5月20日、岡山市は「令和6年度 岡山市の精神科病院における業務従事者による障害者虐待に関する状況」を発表しました。
精神科病院は極めて閉鎖性が高いことから、これまで「虐待の温床」となっていました。 私はこの状況にストップをかけるために、精神保健福祉法の改正により、院内で起きた虐待について「報告義務」を課させることに成功しました(令和6年4月から…)。また、それに伴い、虐待通報を受けた自治体(都道府県と政令指定都市)にはその対応や結果の公表が義務付けられました。岡山市はこの制度に則って虐待通報に関する状況を開示しました。
岡山市内は8件の精神科病院(精神病床を有する病院)がありますが、これでまでにも度々問題が起きています。
今回の発表では虐待が認定された病院が特定されてはいませんが、改善命令が出されています。
今のところ我々が把握している限り、公表している自治体は秋田県と今回の岡山市のみになります。
岡山市内の精神科病院(精神病床を有する病院)は8つで、令和6年度の虐待認定は1件です。秋田県は24の病院に対して令和6年度の虐待認定は3件4人です。
全国の精神病床を有する病院は1,535あります。
このペースだと、全国で200件くらい虐待が認定されそうです。神出病院事件を受けて厚生労働省が慌てて実態調査した際には、全国の精神科病院において、5年で72件の虐待が認められました。つまり、1年でわずか14件程度です。
精神科病院での虐待が通報義務化した結果、認定は10倍以上になりそうです。つまり、虐待が無数にありながらも今までずっと隠されてきたということになります。
我々は現在全国の自治体(都道府県指定都市)に対し、早急に情報を公表するよう求めています。国のまとめを待たず、積極的に情報を公開する上記2つの自治体もあれば、臆面も無く無責任な態度を隠さない返答をする自治体もあります。
指導権限のある自治体の姿勢一つで入院患者の命や尊厳が左右されます。積極的に無通告の実地指導を導入している自治体では、次々と虐待や犯罪が発覚しています。
外部の目が入らない精神科病院入院患者にとって、虐待通報制度や自治体の実地指導は、数少ない外部との懸け橋です。自治体が主体的に虐待を無くすために動いていけるよう、我々は声を上げ続けます。

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