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【book snack bar灯台】評価しない、判断しない


「自己受容とはただ感じることだっていうの、いいですね。人間だもん感情があるし、自分がいっぱいいっぱいになることがある。そんなときは、きついなぁとか、しんどいなぁって感じるだけでいい。どうしようとか、どうしたらいいかは考えなくてもいいってことですね。」


サクマさんの目がランランとしている。高校生を相手にしていても時々起こる。なにかに気づいた人の目にはなにかが宿る。人生は気づきの連続だ。気づきとは点と点が繋がること。気づきをたくさん持っている人は、たくさんの点が繋がり、やがて面になる。その面の広さで人は世界を理解する。気づきとは世界を理解する大きなパラボナアンテナだ。


サクマさんがママの新しく作ってくれたいいちこのお湯割りを、フーフーと冷ましている。自分の興奮を落ち着けようとするみたいに。

「あぁ、おいしい!自己受容ってね、自分のグラスを感じることなのよ。おちょこサイズの人もいるだろうし、大ジョッキの人もいると思う。でもね、サイズは二の次でいいのよ。大事なのは何を飲むかよ。大ジョッキで純米大吟醸のお酒飲んでもなんか違うでしょ。逆におちょこでビール飲んでも美味しくないわよ。みんな自分のグラスにあったお酒があるのよ。」


「そっかぁ、もしかしたらぼくが事業に誘った彼は、自分のグラスとお酒がマッチしていないって、感じたのかもしれませんね。」


「今までビールしか飲んでこなかったらそうなるわよ。その彼に足りなかったのは勇気だし、かとちゃんに足りなかったのは勇気づけだと思う。」


「勇気づけかぁ。たしか、ここらへんでしたね。あった200ページ。」


 馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない。


 人が課題を前に踏みとどまっているのは、その人に能力がないからではない。能力の有無ではなく、純粋に「課題に立ち向かう"勇気”がくじかれていること」が問題なのだ、と考えるのがアドラー心理学です。そうであれば、くじかれた勇気を取り戻すことが先決でしょう。


「ほら、その先に書いてあるじゃない。「いちばん大切なのは、他者を「評価」しない、ということ」って。他人を評価しないように、自分が自分を評価しなくていいじゃない。自己否定で自分はだめだって評価したって勇気は取り戻せないわよ。無理に自己肯定して、自分は頑張ってるって評価したところで、心がいっぱいいっぱいなのは変わらないしね。」


「自己受容は、自分を評価しないってことなんですね。大事なのは勇気を取り戻すことだから。」


「でね、話が戻るんだけど、やっぱ人のことを豚だなんて言わなくていいと思うの。それってかとちゃんの評価でしょ。かとちゃんが本当にその人のことを大切に思うなら、評価しないで、勇気づけをするのがあなたの役目なんじゃない?」


サクマさんの的を得た指摘に、胸がわさわさしている。


「きっとね、かとちゃんは自分に厳しい人でしょ。なんでかとちゃんが心が折れたかっていうとね、自分を厳しく評価してきたからなのよ。評価し、判断することがクセになってるんだと思うの。だから人のことも評価し、判断しちゃう。やめちゃいなよそんなの。評価して、判断したって、勇気は出ないし、くじかれるだけなんだから。」


(続く)

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