德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.16『備蓄米の混乱』

「もっとお米のことを知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。


毎日ニュースやワイドショーで必ず報じられる備蓄米。

1993年(平5)「平成の米騒動」この翌年に成立した食糧法で政府はコメの不足に備えて必要な数量を在庫として保有しておくことを定めました。
備蓄するコメの量は、10年に1度の深刻な不作や、2年連続の不作にも対応できるよう、100万トン程度を適正な水準としています。
去年の6月で91万トンが備蓄されている、とのこと。

先日の報道は備蓄米を契約出荷する生産者が他の集荷業者に高値で売ってしまって、数字として計上されていた備蓄米が備蓄されていなかった、という笑えない話。このことが判明し違約金が発生した、と。当の生産者は、違約金を払っても高値で売ったほうが儲かると開き直る始末。
いままで経営が大変だっただろう米農家に少しは同情しますが、日本の食料安全保障は誰が守るのでしょうか?

お米は日本の農産物の中で唯一自給率が100%。
しかし国内では学校給食でさえ米の提供が削減され、値上げされた米は「いつ下がるんだ?」という報道ばかり。
私たちの食料は作り手が支え、食べる側も食べて消費し、だから作り続けることができるサスティナブル(持続的な)な経済行動のはず。
作り手も食べる人も、みんなお互いに敬意をもって向き合わなければならないのに、だれかが犠牲になることを想像できない社会。

備蓄米は私たちの食べ物に対する考え方の本質が問われています。

先日、仕入業者に備蓄米の入荷について問い合わせたところ、玄米を販売する米屋には販売できない、といわれ驚きました。
入札した全農(全国農業協同組合連合会)から転売要件での申し入れがあり、行き先はスーパーと業務店(外食事業者など)のみとするように、とのこと。
米屋は信用されていないのか……?
ところが、きっとどこかの業者が全農か農水省にクレームをいれたのだと思う。
農水省から、玄米販売店にも要望があれば卸すように、という指導があったとのこと。

愚痴っぽくなりましたが、このように米業界は本当に備蓄米でも右往左往、混乱しているのです。

なぜか備蓄米を「備蓄米」と称して売ってはいけないルールになっています。
私たちも入荷した事実をお伝えすることもできず、入荷したとも、していない、とも言えません。
なんだかおかしな話です。だれを守っているのでしょうか?
価格も聞く限り相場よりは少し安いといえますが、無理して家庭内備蓄にするほどではありません。
品質には触れません。日本国内で誰かが作ったお米であることは間違いないので。

とりとめのない内容になって申し訳ありません。
一番混乱しているのは私自身かもしれません。

私たちの安定した食生活はいつ取り戻せるのでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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