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メルマガお米炊飯研究所 配信No.13『お米を研ぐ〜洗米 #1』
「もっとお米のことを知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。
今回のテーマは「お米を研ぐ〜洗米 #1」
読者の方から、お米の研ぎ方について教えてほしい、とご要望がありました。
無洗米が普及したことで「お米をとぐ」という行為が面倒くさくて嫌だ、という方も増えています。
たしかに……たしかに…そうかもしれません。私も……。
だけど、知っているのと知らないのでは大違い。
少しだけ耳(目?)を傾けてください。
既に多くの方が知っているのは「お米って強く研いだらダメなんだよね」という話。
結論からお伝えすると、”サラサラと優しく研ぐ” と ”ゴシゴシ強く研ぐ”。どちらも正解です。
正しくは、お米の状態によって変わります、ということ。
例えば「新米」。誰もが知っているとおり、優しく研ぐのがよいです。
なぜならお米の表層はまだもろく、含む水分も安定せず米粒が砕けやすいこと。
お米の香りなど揮発性物質が表層に残っているので、新米特有のよい香りを感じることができること。
白米を包む表皮(玄米の糠層)も新鮮で、甘みさえ感じることもあること。
などが理由です。
研ぎ方は、お米を3回ゆすいで水を切り、テニスボールを握るように指を立てて、軽く40回〜50回クルクルと力を入れずにまわします。
コツは、クルクルまわしているときに立てた指の外側で、ボウルや鍋の側面に軽く押しつけるようなイメージです。
そして研いだあとは、3回ゆすいで水を切っておわり。そして水加減へ。
時間にすると2分〜3分。
この方法は一年間、そして”一生”つかえます。ただし、普通のお米であれば…
しかし、強く研ぐ、ことも間違っていない。
例えば「古米」。古くなったお米。なんだか脂(あぶら)臭い、ひねた匂いのするお米。
だれかからもらってすっかり忘れて放置されていたお米、などの場合です。
古米化はお米の表層に露出している米デンプンに、酸化した脂質が絡みついた状態。これが古米化。
米表層の酸化した脂質。副産物として酵素(リパーゼ)で分解されて発生した古米臭(エステル臭)。
そして絡みついた脂質によって水分をはじく米デンプン。
これを取り除けばよいのです。
お米の表層は細胞壁に米デンプンが押し込まれている状態なので、これをゴシゴシ強くといで洗い流してやればよいのです。
例えると、蜂の巣のようなハニカム状のそれぞれの空き室に白いデンプン粒が詰め込まれた状態。
これをゴシゴシと洗い流すイメージです。
私の記憶では、わずか二十年前までは常温でお米を保管する施設も多く、春を過ぎるとお米は古米化していました。
お米は玄米の状態でも呼吸しているので、暑くなると人間と同じでハァハァと息をして体力を消耗します。
この呼吸で脂質の酸化と酵素分解、そして含有水分が低下するのです。
こういったお米が一般的に流通していたので、私たちの先輩はお米をゴシゴシと研いでいました。
なにも間違っていません。
研ぎ方は、ゆすいで水を切ったお米を、手のひら(腹のところで)で押し込むように行う方法。
ギュッ、ギュッ、ギュッと、お米とお米をしっかりこすり合わせます。
研ぎ方はお米の状態をみて変えましょう。
お米を研ぐ意味は、本当はこれだけではありません。
ごはんにツヤを出す。食中毒を防ぐ、など。
この説明はまた次の機会で。
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