德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.12『炊飯 ”は” 科学』

「もっとお米のことを知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。

今回のテーマは「炊飯 "は" 科学」

炊飯とは「米粒がごはんに変化する」これだけのことです。
三千年以上前、縄文時代から日本ではお米が栽培され「水で煮る」というシンプルな調理で人々の命を育んできました。
炊飯はとても身近な調理作業で、だれもが知っていて、だれもが普通にできること、だと多くの方が思っています。

しかしながら、例えば調理学校で炊飯だけの授業は行われていません。
肉や魚をさばいたり、ソースの作り方は教えてくれるけど、炊飯だけを教えてもらう授業はありません。
大学の栄養科でも然り、料理教室でも…です。
あるお寿司やさんは、修行中に毎日ごはんを炊いていたけれど、なぜ研ぐのか?、なぜザル上げするのか?
親方からも先輩からもまったく教えられていない、ただこうやれ!と言われてきただけです、と。

30年前の強烈な記憶ですが、あるお客様からクレームの電話がきました。
「ごはんが美味しくない!」
すぐにお伺いしてお話を聞くと、炊飯作業の手順が、浸漬させる(北海道弁で”うるかす”)→洗米→水加減→炊飯スイッチ、と、
炊飯手順が間違っている…えっ!?絶句しました。(みなさん、間違いがわかりますか?)
年配の方だったので、その作業手順を否定すると、その方の人生まで否定するような思いがして、若かった私はそのままお詫びして帰りました。
聞くと、その間違った炊飯手順はお母さんから教えてもらった、とのこと。

洗米せずに先に浸漬すると、糠のにおいと微量な脂質が染みこんで、ごはんはパサパサで黄色くなりやすくなります。
そのクレームは、とある遊戯施設の従業員食堂で、従業員の方が”食堂のおばちゃん”に「ごはんが不味い!」と訴えて、困って当社に電話がきたのでした。
実は”食堂のおばちゃん”はそのごはんが不味いとは思っていなかったのです。
「いつもどおりなんだけど…従業員が美味しくないって言うから…」

そのときに私は「炊飯」をきちんと伝えたいと思いました。
お母さんが間違えて教えると、その娘さんにも間違って伝わります。そしてそのお子さんにも…
YouTubeなどでも炊飯ノウハウが紹介されていますが、ツッコミどころ満載のコンテンツを多く見ます。

炊飯は科学的に説明することが可能で、たくさんの研究が行われてきました。
そしてその研究成果と技術が、いまの10万円以上もする炊飯器にも利用されているのです。
だからといって、炊飯を知らなくてもよい、ということにはなりません。

私たちの命をささえる米、そしてごはん。
炊飯の基礎を知っているだけで、私たちの食はもっと豊(ゆたか)になります。
炊飯”は”科学です。
不肖、私もみなさんと一緒に勉強しながら「炊飯」をこれからお伝えしたいと思っています。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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