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メルマガお米炊飯研究所 配信No.11『食感と旨み』
「もっとお米のことを知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。
今回のテーマは「食感と旨み」
2021年(令3)農林水産省が主体となって「スマート・オコメ・チェーンコンソーシアム」(*1)という事業が始まりました。
これは、生産から消費に至るまでの情報を”食べる人”に繋げようとする試みです。
筆者も当初から北海道の米小売店として参加してきました。
このなかに「品質伝達ワーキンググループ」が結成されていて流通経済研究所と大学教授が幹事となって、
どのようにしてお米の味わいを的確に伝えられるか、という議論が行われてきました。
こちらも筆者はメンバーのひとりです。
ワーキンググループで話し合った中に、ごはんの美味しさを何で感じるか?という議論がありました。
意見が一致したのが「食感」
1987年(昭62)炊飯研究の第一人者である貝沼やす子氏が、学生20名を対象に米の水加減を変えて、硬さ、色、粘りなどを評価した官能試験を行いました。
そのデータでは「硬さの好ましさ」と「総合評価」の結果がよく似ていて、加水比1.3倍〜1.4倍の硬さ(お米の重量比に対しての加水量)が「丁度よい」、そして総合評価でも同加水比で「毎日食べてもよい」という近似した評価になっています。(*2)
知り合いの離乳食・キッズ食レシピ研究家(*3)から教えてもらったこと。
乳児、幼児がわかる味は「食感と旨み」。
トロトロ、つるつるした食べ物が好きで、ザラザラ、ゴワゴワした食感が嫌い。
昆布や出汁の旨みを子どもは敏感に感じとります、と仰っていました。
店頭で子どもをもつ親御さんから「ウチの子はスーパーのお米はぜんぜん食べないのに、千野米穀店から買ったお米はなぜかよく食べるんです。」とよく聞きます。決してスーパーの米が悪いとは云わないけれど(誤解無きように)、当店は良質な米を販売しているつもりです。
私には二歳と五歳の二人の孫がいます。じぃじが炊いたごはんをよく食べてくれます。
あの小さくて、きれいなピンクの”無垢”の舌に何をのせて上げられるのか。私たち大人の責任です。
良く出来た良質なお米は品種に関わらず、ツヤツヤして滑らかで、舌触りがよく、スルスルと呑み込めます。
お米のよい香りは、呑み込む瞬間に鼻の奥にふんわりと香ばしい、甘みさえ感じる香りがします。
そしてごはんが喉を通過する頃には、口の中にじわりとした甘みが残り、さらにまた”ひとくち”を口が欲します。
お米の美味しさは品種の違いだけではなく、同じ品種でも生産者によって微妙に違います。
そしてさらに良い塩梅の水加減で美味しく炊くことが必要です。
今後このメルマガといつかYouTubeも利用して、皆さまがお米の美味しさを見つける、お手伝いをしていこうと思います。
そして長期戦略として(笑)、子ども達がお米をずっと好きでいてもらえるよう、美味しいお米を届けられるように努力したいと思います。
次回はそろそろ、炊飯についてお伝えしたいと思います。
お読み頂きありがとうございます。
*1 スマート・オコメ・チェーンコンソーシアム https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okomechain.html
*2 貝沼やす子 他 , 加水量が炊飯に及ぼす影響 , 日本家政学会誌 Vol.38 , No,7 567~575 , 1987
*3 熊谷しのぶ(離乳食・キッズ食レシピ研究家)https://pop-spoon.com/
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