德永善也のお米炊飯研究所

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メルマガお米炊飯研究所 配信No.8『お米品種紹介〜ゆめぴりか〜#2』

「もっとお米のことを知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。

今回のテーマは「ゆめぴりか」についての2回目。

ゆめぴりかは2009年(平21)の秋から本格的に販売されたとお伝えしましたが、
この年は皮肉にも「冷害」という逆風の中での始まりでした。

(以降、わかりやすく和暦で記載します。)

当時北海道は冷害が5年ごとに発生していました。
代表的なのが平成5年(1993)の大冷害。北海道の作況指数は40。(全国では74ー著しい不良)
作況指数が100だと例年並みの収穫という意味なので、作況指数40は例年の4割程度という意味合いです。
6割も減っているので、これは大変!
翌年、平成6年3月にTVニュースで「スーパーの棚から米が無くなった」と報道があり、その瞬間から電話が鳴り止まず、翌日から店舗前に長蛇の列。
このときの「平成の米騒動」は記憶に残っている方もいらっしゃると思います。
お米の輸入が始まり、緊急措置でタイ米が流通したのも平成6年。
ちなみに前年平成4年も冷害。作況指数89。冷害が2年続いた年でもありました。

そして5年後、平成10年の冷害。作況指数98(全国)
このとき北海道はそれほど深刻ではなかったのですが本州では小さな冷害が発生しました。

つぎに平成15年の冷害。
当時の北海道は作況指数73。前年平成14年も作況指数91だったので、この年も2年連続で冷害でした。

どういう偶然なのか?平成5年から5年おきに冷害が続いていたのです。
それで次は平成20年に冷害が来るかも!?と思いますよね!
ところが平成20年は作況指数106の大豊作!

冷害がくるかも?とデビューを一年遅らせたのに、翌平成21年は作況指数89とまたもや深刻な冷害……一年ずれたのです。
ゆめぴりかは冷害という試練の中でのデビューでした。
冷害になるとコメのタンパク含量は上昇し、基本的にコメの食味は落ちます。

ホクレンは”ゆめぴりか全量買取”と道内各農協に指示していたので、生産量の9割以上の“ゆめぴりか”がタンパク含量で基準外となり単品販売できない事態に陥りました。(その後基準は変わります)
そこで単品出荷出来ない大量の「ゆめぴりか」をどうしたか?

ここで救いの手を差し伸べたのが異母(異父?)兄弟の「おぼろづき」。
平成21年のデビューから平成22年にかけて、まるでドラマのような展開がお米の世界にありました。

この先はまた次の機会に。

来週からメルマガの発行は火曜、木曜、土曜の3回となります。
どうぞよろしくお願いいたします。

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