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メルマガお米炊飯研究所 配信No.7『お米品種紹介〜ゆめぴりか〜#1』
「もっとお米のことを知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。
今回のテーマはいまや日本のブランド米ともなった「ゆめぴりか」について
ゆめぴりかは2008年(平20)、当時の北海道立上川農業試験場(上川管内比布町)で
「水稲極良食味品種」として誕生しました。
そして本格的な販売は2009年(平21)から。
当時「たんぱく質含量6.8%以下の美味しいお米だけ販売します」というキャッチフレーズで、
品質管理がされた中で、初めて全国へ広まったのが”ゆめぴりか”でした。
”ゆめぴりか”は、他の品種改良方法とはちょっと違います。
通常お米の品種改良は、異なる品種の”雄しべ”と”雌しべ”を交配させてつくります。
例えば味のよい品種と冷害に強い品種を掛け合わせたり、病気に強い品種を掛け合わせたり、
いまは高温に強い品種との掛け合わせなども行われています。
そういった交配の中で、ゆめぴりかは往年の品種”きらら397”の雌しべ(葯=やく)だけを培養する方法、
「葯培養※」という手法で生まれた系統を親として改良されています。
これが「北海287号(札系96118)」という系統品種。
この「北海287号」は低アミロースとしての特徴があります。
お米は”アミロペクチン”と”アミロース”という二つのデンプンで出来ており、
アミロースの含量が低いとお米の粘りが強くなります。
ななつぼしやササニシキなど普通のうるち米は20%前後。コシヒカリは16%前後。
アミロースを含まず、アミロペクチン100%なのがもち米です。
そして「北海287号」を片親として違う品種交配で改良されたのが「おぼろづき」だったのです。
”ゆめぴりか”と”おぼろづき”は異母兄弟??
「おぼろづき」についてはまた後日お伝えすることにして、
”ゆめぴりか”をもう少しお話ししたいと思います。
※葯培養 植物の性質を使い、1つの葯(雄しべ)から元の植物体をつくる培養方法
通常の品種改良よりも短い期間で性質や特徴を安定させられる特徴があります