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德永善也のお米炊飯研究所 メルマガ配信No.6『お米品種紹介〜ななつぼし〜』

「もっとお米のことを知ってみませんか?」

五ツ星お米マイスターProf.の資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。

今回のテーマは令和6年産米の食味ランキングで特A獲得、
連続15年の「ななつぼしについて」
北海道で根強い人気を誇る“ななつぼし”
北海道米生産量の50%、なんと半分を占めています

お米にも種類があって、
うるち米、もち米、酒米、着色米、高アミロース米、などの区分があり、
その中でも1番種類が多くて普段食卓に並ぶのが“うるち米”
ななつぼしもその中のひとつ

ななつぼしの誕生は2001年(平13)、当時の北海道中央農業試験場(現在の北海道立総合研究機構中央農業試験場)で品種開発が行われました。
米屋やスーパーで本格的に販売され始めたのは2003年(平15)ごろ

ななつぼしの一番の特徴は良食味であること、ですが、
もうひとつの特徴は、1つの穂につくお米の数「一穂籾数」が多いこと。
ななつぼしは以前の北海道米より約10%前後米粒が多く稔るの特徴です。
収穫量も前の品種より多めなので当然、農家の収入に直結します。

お米にとっての3大栄養素と呼ばれているのが「窒素・リン酸・カリウム」
このうちの窒素が土から根を通り吸収され、たんぱく質合成のの供給源となります
お米のたんぱく含量は北海道米だと7%前後、本州米だと6.1%※前後と言われています
※参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

吸収された窒素はイネの成長に利用されますが、多く吸収しすぎると米の中に蓄積し、結果たんぱく質顆粒がお米の細胞壁や細胞内に吸着し、米の粘りを阻害する働きで食べた時の食感が悪くなってしまう、という現象が起きます。

ななつぼしの場合、一穂籾数が多いおかげでたんぱく質合成が分散されるので、
たんぱく含量が相対的に低くなる、という仕組みになっています。
そして、たんぱく含量が低いということは、粘りや弾力が出てくるということ
つまりは美味しいお米になる!ということです


実は、ななつぼしの系譜には「国宝ローズ」という海外のお米が掛け合わされています
国宝ローズは今もアメリカのカリフォルニア州で生産されていますが、1920年代に福島県からアメリカに渡った国府田敬三郎が1945年終戦後アメリカで改良を加えたお米。
アメリカへ研修に行った北海道の研究者がそーっとポケットにしまい込んで持ち帰ってきた(というのはナイショの話)米を品種改良の母本として採用し、1991年宮城県で育成され良食味で耐冷性“極強”の「ひとめぼれ」を交配することで開発されたのが「ななつぼし」です。


ここで德永的オススメの食べ方をご紹介

ななつぼしは甘みの少ないあっさりとしたお米
甘みの主張がない分、何にでも合わせやすいのが良いところですね

お寿司やお弁当にしてもとっても美味しい
当社、千野米穀店で卸している飲食店さんもななつぼしを使っているところが多いです

水加減もとても寛容で、水を少なく炊いても多めに炊いてもわりと失敗が少ない
ななつぼしはとっても使いやすく、オールマイティなお米なのです!!

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