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德永善也のお米炊飯研究所 メルマガ配信No.4『令和の米騒動#3』
「もっとお米のことを知ってみませんか?」
五ツ星お米マイスターの資格をもつ、私、德永善也が
「德永善也のお米炊飯研究所」と題し
「そうだったのか!」
というような、“お米のこと”をお届けします。
前回に引き続き、世間を取り巻いた「令和の米騒動」について、
その真相を業界の内側から見る私の視点からお伝えいたします。
8月21日朝から電話が鳴り続けたのは前号#2でお話ししたとおりです。
では、なぜこの日、21日だったのか?という、後で聞けば、な〜んだそうだったのか?というようなお話です。
基よりお米の流通量が少ないと云われていた2023年産で、取引している米問屋さんは“ゆめぴりか”は8月くらいには切れそう、“ななつぼし”はなんとかなりそう、などと既に6月頃から話していました。今年の秋はヤバいよね…という話もチラホラ。
しかし、ギリギリ新米までは間に合うかも、とも話していたところでした。
2024年8月8日16時43分頃、宮崎県日向灘で震度6弱の地震が発生しました。
8月8日は木曜日。そして翌日9日金曜日に “南海トラフ地震に備えよ”という政府の発表。
続いてTVでは「備蓄への備え」を促す報道。
当然、特に西日本の方々は翌日10日〜11日、土曜日〜日曜とスーパーに備蓄用の食料を買いに行かれたようです。当然の行動です。まさか…ということがありますからね。
ところが折しも日本は10日(土)からお盆期間に突入。12日(月)は山の日で休日。翌日13日(火)から18日(日)まで、倉庫関係はお休み。精米工場もお休み。
お米が売れてもスーパーの棚に追加補充が出来ない事態が発生していたのです。
そしてお盆明けの19日月曜日、さて追加発注!と思いきや、もう既に発注が混み合っていて精米と納品が間に合わない。
流通の仕組み上、早くても発注から翌々日納品が一般的な納品なので、20日火曜日はどこのスーパーもお米の棚が空の状態だったのです。
それを20日夕方のTV報道番組で「スーパーの棚から米が消えました!」と報道したものだから、世の中は大パニック。
約30年前の平成の米騒動を知っている人たちも、苦しい記憶を思い出し胸がざわつく感じがしたと思います。
もとより新米までギリギリだった在庫のお米がさらに足りなくなって、オーダーを入れても米が入荷しない、それなら米屋に行ってみよう、などと当社にもたくさんのお客様が来店され、問い合わせの電話も鳴り止まない日々が続くことになりました。
8月8日の日向灘沖地震は米業界にとって最悪のタイミングでした。
これがトリガー(引き金)となって、さらに米に対する世の中の不安感が一層増したとも言えます。
しかし、地震が発生しなかったら現在のような品薄や高値にはなっていなかったのか?
そうではありません。
私たちはもっと根本的な問題を考えていかなければならないようです。
それは、また次のお話で。