mail magazine backnumber
メールマガジン バックナンバー
【健塾メルマガ】医師免許が取り消されないワケとは?
医師免許が「取り消し」になるのは一年でせいぜい3〜4件です。しかも逮捕されただけでは処分の検討対象にさえならず、殺人や傷害などで有罪が確定し、懲役に服した後でないと、取り消しになることはありません。詐欺や窃盗レベルで「取り消し」になることはほとんどありません。
これに関連して、昨日の毎日新聞東京本社版朝刊記事です。有料版でも読めます。
↓ ↓
https://mainichi.jp/articles/20250209/ddm/013/070/026000c
一部引用します。
-----------------------
――どうして医師の処分基準が必要だと考えるのですか。
◆精神科の主治医の立場を利用して性的関係を持った女性患者ら2人が自殺したとして、19、20年に遺族が男性医師の医師免許取り消しを求めて要望書を厚労省に提出した事案がありました。男性医師は国から診療報酬をだまし取ったとする詐欺容疑で逮捕され、有罪が確定しました。それを受けて医業停止3年の処分となりましたが、性的関係については処分の対象とはならず、医師免許も取り消されませんでした。
精神科は、患者が過去に親や恋人、親友などに抱いた感情を医師に向けて依存してしまう「転移」が起こりやすく、医師と患者との関係について特に注意が必要だと言われています。患者との間に不適切な性的関係があった場合は、たとえ刑事事件にならなかったとしても適正に処分するために基準を作るべきです。
-----------------------
是非全文をお読みください。ちなみに、この議論の契機となった精神科医は、上記の告発に対して関係者を名誉毀損で訴えてきました。一審は棄却されましたが原告は控訴してきました。その控訴審の判決は来月5日です。
医業停止3年の処分が明けたこの精神科医は一体どこで何をしているのでしょうか?医業を続けたとしても合法です。患者に対し、過去の処分歴を明かす必要もありません。ましてや、処分に至らなかった過去の問題行動(※裁判所に「精神科医としての適格性を強く疑うことのできる事実」と認定されている)について患者も一般市民も知る術はありません。
行政は相変わらず、自殺予防などメンタルヘルス対策の主な取り組みとして、精神科の早期受診を掲げています。しかし、資質の無い精神科医が患者の心身を傷つけている実態が無視されています。このような精神科医が適切に迅速に処分される下地を作らないまま無責任に早期受診を呼びかけることで、国民の命を危険に晒しています。
法改正しなくとも、わいせつ精神科医を処分できる条文は既にあります。単にそれを使えばよいだけです。処分に対して異議を唱えられて訴えられるのが嫌なのであれば、事前に処分の基準を作成し、公表するまでです。私は2019年からずっとそのように厚生労働省に言い続けています。
これ以上先延ばしにする理由などありません。