アーユルヴェーダと薬膳 ディデアン 

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自画自賛、「薬膳カレー」 (勢いあまって書きました ちょっと恥ずかしい…)

 昨夜、久しぶりにディデアンの「薬膳カレー」を食べました。毎日お客様にお出ししていますが、一人前を食事として食べることは年に1度あるかないかなのです。

 閉店後、古いお客様が久しぶりに訪ねてくださり、「カレー食べたかった。一緒に食べよう」とおっしゃるので、久々の笑顔にうれしくなり、私たちも一緒に食べることになったのです。以前は夜11時閉店でしたので、こういうお客様がまれにいらっしゃいます。

他にサラダだけ作って、それだけで食事をしたのですが、これが美味しかった。
合間に飲むケフィアも抜群。
自画自賛しすぎですよね。でも、今朝目覚めた時の胃の感じがすごく良い。

やっぱり時間をかけて練り上げたうちのカレーは、良い食事に仕上がっている。
今朝、そう実感したので、メルマガに書くことにしました。

もともと薬膳の店ですから、体の弱い方やお年寄りに効果がある薬膳スープを飲んでいただきたくて、メニューを考えました。しかし、薬膳スープを好んで頻繁に飲んでくださる方が少ないことに気づき、スープをベースにした気軽に食べられるカレーを作ろうと決めたのでした。

店を開ける前は生業として料理人の取材をしていたこともあり、料理人に知人が多く、タイカレーのシェフから秘伝を伝授、インドカレーシェフからは北インド南インドのカレーの作り方を教わり、スリランカカレーを学び、アジアのカレーひととおりのプロの味を作れるようになりました。

それから薬膳に立ち返り、消化が良く、気血を巡らせて、日本人に合うカレー作りに入ったのです。
スパイスはすべてそれぞれ効能効果を持つ生薬です。ほとんどの素材はすでに店にありましたが、カレーは生薬を使う量が薬膳とは比較にならないほど多い。薬膳料理の場合、多くは、素材と一緒に煮るとか漬け込むなどして成分を抽出して体に取り込みますが、カレーは粉にしたりそのまま入れたり。どっさり入るのです。

中国薬膳の故郷は四川省の成都です。暑さ寒さが厳しくしかも湿度が高い。この中で人は健康を保つために薬膳を構築しました。その薬膳の源流はというと、インドの伝送医学アーユルヴェーダにあると言います。アーユルヴェーダではとにかく、消化、デトックスを基本として体を労わります。

体は巡ることが基本です。体の中の気、血、水は、常に巡り続けていないと、滞りがうまれ、体に悪影響を及ぼします。その考えをベースとして、極暑の地域ではスパイスをたっぷり使ったカレーという料理が数千年前から一般化しているのです。

さて、ディデアンのカレーですが、インド、タイ、スリランカのカレー作りをヒントとして、胃に負担なく、体の巡りを高める生薬をブレンドして、薬膳の塊である名古屋コーチンのスープでまとめた、今の薬膳カレーを数カ月かけて完成させました。

20年ほど前の話で、それからは毎日スープを取り、薬膳カレーを365日(当店は定休日はありませんので)絶やさず作ってきているわけです。
毎日作っていても、口にするのは味見だけ。というか、毎日作っているので、味見しかしたくない、というのが本音なのです。

でも昨日食べてみて、「旨い」と心底思いました。そして、今朝の胃袋のスッキリさに、良いカレーだと実感したことが、うれしくて仕方ありません。食べ物は美味しさではなく、体への影響に耳を傾け、その返答が最も大事と考えているからです。

改めて申します。
「皆さん、体調のスッキリしない時こそ、うちのカレーを食べてください」
以前、
「これから出産しに病院に行きます。その前にディデアンのカレーを食べに来ました」
と駆け込んできたお客様がいましたが、それほどの一大事でなくても、折ある毎に食べてください。
美味しいだけでなく、体に良いカレーです。

365日、体を張って仕事をしています。だからこそ、看板料理の出来に我ながらうれしくて、感動しています。
こんなに長く書くつもりはありませんでした。しかも自慢話を。
勢いあまって書いてしまって、ちょっと恥ずかしいですが、今書かないと、思いを残せないと思ってアップします。
最後まで読んでくださったお客様。ありがとうございます。

店にいらっしゃった時には、「メルマガ、最後まで読んだよ」とおっしゃってください。
心ばかりのサービスをさせていただきます。

まだまだ暑い日が続きますが、お互い体を大切に、精一杯生きましょう。
ご来店をお待ち申し上げております。
                                            店主拝
追伸
9月のスリランカンブッフェは 22日、23日、24日の18時~です。
ご予約をお待ちしています。

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