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【KENJUKU/健塾】メルマガ うつ病治療(抗うつ剤)と暴力事件の関係について

抗うつ剤の服用によって、暴力が誘発される…。 これは2010年の段階で、既に「NHKスペシャル『うつ病治療 常識が変わる』」でも紹介されていた事実です。もちろん抗うつ剤だけの問題ではなく、精神科で使われる全ての向精神薬でも言えることなのですが、2010年当時はSSRIやSNRIと言われる抗うつ剤がバンバン使われていた時代で、これがたまたまやり玉にあがったというだけのことです。

猟奇的な事件、衝動的な事件、動機が不可解などと言われる事件のほとんどは向精神薬の作用によって引き起こされた…と考えても間違いはないでしょう。


P98
★国が認めたSSRIの「攻撃性」
ーーー引用開始ーーー
2009年4月、都内のホテルに防衛医大教授の野村総一郎さんをはじめとした日本うつ病学会の中心メンバーが集まり、緊急理事会が開かれた。
(中略)
この会議の主催を持ちかけたのは厚生労働省で、SSRIを服用中、他者に対して敵意をむき出しにしたり、暴力を振るったり事例が増加傾向にあることが、明らかになったからである。
事例は全部で268件。SSRIが日本国内で販売が始まってからの10年間で、医師や製薬会社から報告されたものだ。
5月8日、厚生労働省は、製薬会社に対して薬の添付文書に攻撃性を誘発する危険性があることを明記するよう指導する方針を打ち出した。
(中略)
このニュースを「やっぱりそうだったのか」という思いで聞いた人がいる。
札幌市に住む20代の女性・Bさん、髪をショートカットにした、真面目でおとなしい印象の女性にしか見えない。
そのBさんが、SSRIを服用中になんと強盗事件を起こしてしまった。
ちなみに、Bさんのケースは、今回の厚労省が発表した268件には含まれていない。
(中略)
パキシルを飲み始めて6週間後、Bさんの症状には改善する兆しが一向にみえなかったため、主治医は薬を1日3錠に増やした。
Bさんの身体に異変が現れたのは、その頃だった。
これまでに経験したことのないイライラした感情が頭をもたげ、それを爆発させるようになったのだ。
「自分がまったく別の人間になったような感じっていうんですか、常になんかイライラするし、攻撃性っていうんですか、人を攻撃したくなるんですね。普通は悪いことしちゃいけないっていうブレーキがかかるじゃないですか。それがまったく利かない感じですね。」
やがてBさんは、突然奇声を上げたり、ドアや壁を蹴るなどの行動をエスカレートさせていった。
まっすぐ歩けなくなったり、ろれつが回らなくなることもしばしばだった。
子どもの頃から恥ずかしがり屋で、授業中、先生に「本を読みなさい」と言われても、蚊の鳴くような声しか出せなかったBさんの豹変ぶりに、家族は恐怖すら感じるようになった。
しかし、家族の誰もが、こうした行動を薬の影響だとは思わず、病気のせいだと考えていた。
(中略)
パキシルを服用し始めて半年後、ついに事件は起こった。
深夜、Bさんは台所から包丁を持ち出し、近所のコンビニエンスストアに向かった。
そして店員に包丁を突きつけ、店の売上金20万円を奪って逃走。
あくる日も同じ店に押し入り、強盗の現行犯で逮捕されてのである。
この時のことを、Bさんはかすかに覚えていた。
「あの事件の時は、自分の状態がもう普通じゃない、みたいでしたね。
何か別の人間みたい。自分の行動は記憶にありますけど、どこか意識はぼんやりしている感じっていうんですか。
なんか今振り返っても、自分の行動が信じられないですね。・・・何か、自分の衝動に突き動かされるっていうんですか、
自分で自分の行動を制御不能な感じ。コントロールが利かない感じですね。」
逮捕されたBさんの弁護を引き受けたのは、大賀浩一弁護士だった。
(中略)
Bさんの母親から「薬の影響を調べて欲しい」と頼まれ、高校の同級生だった精神科医の長谷川直美さんにBさんのカルテを見てもらったところ、SSRIの影響がある可能性が高いと指摘されたのである。
(中略)
長谷川さんは、「アクティベーション・シンドローム」と呼ばれる状態が引き起こされ、Bさんは思いもよらない行動を起こしてしまったのではないかと考えた。
「アクティベーション・シンドローム」とは、SSRIの副作用によって、脳がいわばパニック状態に陥り、自殺願望が強くなったり、他者への攻撃性が誘発されるなどの現象を指す。
近年、アメリカで研究が進み、アメリカ食品保健局が初めて命名した。
ーーー引用終わりーーー

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