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くすりのこと③
くすりのこと③
【ヒスタミン】
(抗ヒスタミン薬)
以前、国際会議後の
記者会見に、ろれつが
回らない状態で臨んだ
大臣が辞任したことが
ありました。
報道によると、
抗ヒスタミン薬が
含まれている力ゼ薬などを
多めに飲んでしまったと
いうことでした。
ところで、そもそも
ヒスタミンという物質は
何なのでしょうか?
実は、体内に存在する
化学物質で、体にとって
とても大事なものなのです。
ヒスタミンは通常、
皮膚や粘膜にあって、
血管を拡張させ、組織内の
水分を増やす働きをします。
また、かゆみの神経を
刺激します。
これらの働きは、
炎症反応の一部です。
炎症は元来、病原体の
侵入や外傷から体を守り、
壊れた組織を修復する
反応です。
つまりヒスタミンは、
体を治すために働いて
いるのです。
また、胃の中では、
ヒスタミンが胃液の
分泌をうながす役割を
持っています。
さらに、脳の中でも
活躍しています。
神経から放出された
ヒスタミンは脳全体の
働きを活発化させると
考えられます。
でも、ヒスタミンは
悪さもします。
とくに炎症が起こった
皮膚の部分でたくさんの
ヒスタミンが放出されると、
皮膚が赤く腫れて、
とてもかゆくなります。
粘膜も腫れて泌液が
たくさん出ます。
アレルギーで起こる
炎症反応ではヒスタミンが
たくさん出るので、
じんましんが出たり、
鼻水・鼻づまりになったり
するのです。
力ゼも炎症ですから、
鼻水や鼻づまりがよく
起こります。
このため、カゼ薬には
ヒスタミンの働きを
抑る、抗ヒスタミン薬が
配合されているのです。
抗ヒスタミン薬は、
炎症が起こっている
部分だけに届けば
いいのですが、どうしても
脳にも届いてしまいます。
抗ヒスタミン薬が脳の中に
届くと、脳の働きが抑えられ、
眠気が出てきます。
私は力ゼ薬を飲むと、
とてもひどい眠気に
襲われます。
ですから、カゼ薬は
極力飲まないように
しています。
ましてや、冒頭の前大臣の
ように、脳の働きを」抑える
「百薬の長」のお酒と一緒に
飲むのは、とても危険なことです。
鼻水や鼻づまりに効くと
書いてある力ゼ薬には
含まれています。
くれぐれもご用心を。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。