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動くしくみ(筋肉)⑧
動くしくみ(筋肉)⑧
【赤いお肉】
(ミオグロビン)
お肉のイメージは「赤」
ですね。
とくに牛肉は赤い色が
映えます。
ところで、この赤色が
血液の色だと勘違い
している人が結構いる
ようです。
もちろん違います。
論より証拠、赤い血液を
持っている鶏の肉の色は
あまり赤くありませんね。
肉の赤色は、肉そのものの
色です。
肉に含まれている
ミオグロビンという
タンパク質の色なのです。
おや、どこかで聞いた
名前ですね。
血液の赤い色は、
赤血球の中に含まれている
ヘモグロビンの色ですが、
ミオグロビンは、
ヘモグロビンの仲間の
タンパク質なのです。
どうりで、似たような色に
なるのですね。
みなさんご存じのように、
ヘモグロビンは血液中で
酸素を結合し運搬する役割を
持っています。
筋肉の中のミオグロビンも
酸素を結合してため込み、
酸素をたくさん必要とする
筋肉に酸素を供給する役割を
持っているのです。
筋肉は強い力を出すときに、
たくさんの酸素を必要と
します。
とくに長い間力を持続させる
ためには酸素が不可欠です。
そこでミオグロビンが必要と
なります。
ただ、酸素を利用するのは
時間がかかるので、すばやい
動きには不向きです。
つまり、赤い筋肉は
持続力に優れた筋肉なのです。
牛肉でいちばん赤い肉は
ヒレ肉で、牛の腰の背骨を
支える筋肉です。
四足の牛の腰には大きな胴体の
重みが常にかかり、これを支える
力を出すために赤い肉になって
いるのです。
体重が軽く、すばやく動く鶏には
赤い肉はあまり必要がありません。
赤い色は持続力の源なのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。