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動くしくみ(筋肉)④
動くしくみ(筋肉)④
【内臓を動かす】
(平滑筋運動)
ご存じのように胃や陽は
運動します。
この運動を実感するのは、
「おなかの虫」が鳴った
ときです。
聞いた経験、ありますよね。
おなかが減波ったときに、
次の食事への期待から、
無意識に消化管の準備運動を
うながし、管内に空気やガスを
押し出す動きをするので、
音が出るのです。
おなかの虫の音を聞いていると、
かなりゆっくりとした動きが
想像できます。
決して「グッ!」と瞬間で
音が出たりしません。
「ググ、グーッ」なんて感じで、
結構スローモーションです。
これは、胃や腸を動かす筋肉の
動きがゆっくりとしている
からです。
このゆっくりとした動きを
する筋肉を平滑筋と呼びます。
名前の由来は、細胞に横紋
(横縞)が見られず、ツルッと
した印象を与えるからです。
筋肉が収縮するしくみの
縞がない平滑筋が収縮する
のは不思議ですよね。
実は、平滑筋も電子顕微鏡で
細かく見ると、骨格筋と同じ
縞の構造が見えます。
ただし、骨格筋のように
一方向にそろってなく、
縦横にはりめぐらされて
います。
だから、細胞全体では
縞模様が見えないのです。
骨格筋は、縞がそろって
いるので、筋肉が収縮する
方向が一つですが、平滑筋は
あらゆる方向に収縮し、
細胞自体が驚くほど小さく
なってしまいます。
そんな劇的な収縮を見せる
代表的な平滑筋は子宮筋です。
お産のときに赤ちゃんを
入れていた子宮は収縮して、
1日のうちに拳2つ分の
大きさにまで縮んでしまう
のですから。
この強い収縮が、激しい痛み
である陣痛を引き起こします。
これが、女性にとって
「産みの苦しみ」の
しくみなのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。