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動くしくみ(筋肉)③
動くしくみ(筋肉)③
【縞模様の中の秘密】
(筋原線維)
筋肉が収縮する源は、
1本1本の細長い筋原線維に
規則正しく並んでいる横紋と
呼ぶ横縞模様にある、
というところで前回終わりました。
今回は、この横縞の正体と
しくみを解き明かしましょう。
筋原線維はフィラメントと
呼ぶ、さらに細いたくさんの
タンパク質の線維が縦に
束となってできています。
フィラメントには「太い」
ものと「細い」ものの二種類
あります。
横縞が見える部分は
太いフィラメントが縦に
積み重なって、帯状になって
いる場所です。
ここではさらに「太い」と
「細い」の二種類の
フィラメントが交互に
積み重なっています。
縞と縞の間は、縞の部分から
連なっている細いフィラメント
しかありません。
ですから色が薄く見える
というわけです。
ところで、筋肉が縮むときは、
この縞と縞との間隔が狭く
なります。
筋肉が刺激を受けると、
「太い」フィラメントから
出ているヒゲが、隣接する
「細い」フィラメントに
くっついて、縞がある部分へ
引っ張ろうとします。
しかし、「細い」フィラメントは、
両隣の「太い」フィラメントから
同時に引っ張られるので動かず、
むしろ両隣の「太い」
フィラメント同士の距離が
近くなり、これで縞と縞との
間隔が狭くなるのです。
こうしたしくみで、筋肉は
縮みます。
でも、もとのタンパク質
(二種類のフィラメント)
自体は縮まりません。
この現象は、二種類の
フィラメントを用意さえすれば
試験管の中でも再現することが
できます。
「筋肉が縮む」という体の中の
不思議な現象が、科学の力で
解明されているんです。
ちょっと感動しませんか?
最後までお読み下さり
ありがとうございました。