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感じるしくみ(感覚系)16
感じるしくみ(感覚系)16
【しぶ~い】
(タンニンと渋味)
あま~い和菓子を食べると、
しぶ~いお茶が飲みたく
なります。
昔、よく出回った渋柿の渋さは
今でも強烈に覚えていて、
二度と味わいたくはありませんが
日本人は意外と渋味を楽しんで
います。
いやいや、欧米の人もワインの
味わいに、酸味と並んで味を
重要視しています。
渋味がわかるのは大人の
証拠として、落ち着いた
雰囲気を持つ人を「渋い」と
ほめたたえますね。
ところで、渋味というのは
どういう味覚なの
でしょうか?
調べてみると、舌には
渋味を感じ取る味蕾
(みらい)は存在しません。
また、苦味と渋味は異なるものと
考えられています。
渋味の犯人はタンニンと
呼ばれる物質の一群です。
このタンニンとその仲間は、
舌の粘膜上のタンパク質を
変性させ、固める性質を
持っています。
このことを収斂(しゅうれん)
といいます。
この現象が舌の粘膜に刺激を
与え、それを渋味として
感じているのです。
タンニンはさまざまな植物に
含まれています。
動物性の食品には含まれて
いません。
代表的なのはお茶、コーヒー、
柿、ブドウ、クリの皮などなど
です。
薬草や漢方薬の中にも渋味の
強いものがあります。
ところで、このタンニンですが、
薬としても使われます。
タンニンの収斂作用を利用して
腸の内容物を固めて排出させる
のです。
つまり、下痢止めとして、
実に当たり前に胃腸薬に
配合されています。
そういえば、便意が何回も
襲うのに少ししか便が出ない
状態を「渋り腹」と呼んで
います。
「渋い」にもいろんな意味がある
のです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。