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感じるしくみ(感覚系)⑦
感じるしくみ(感覚系)⑦
【体を知る】
(固有感覚)
大販の方は、歯の治療で麻酔を
かけられた経験をお持ちだと
思います。
そのときのことを思い出して
ください。
麻酔は、ほおの表面まで
効いてきます。
麻酔の効いているほおの部分は、
なくなってしまったような
感じがしませんでしたか。
そこを指で解ると、
ほおがたしかにあるのですが、
とても変な感じがします。
指はほおの存在を感じることが
できますが、ほおは指を感じる
ことができないからです。
このことは、普段、私たちは
ほおの存在を触らなくても
知っているということです。
ほおに分布している神経が、
ほおの存在を脳に伝えている
ということです。
これを固有感覚といいます。
麻酔のせいで、固有感覚が
マヒしてしまうので、
このような奇妙な感じを
受けるわけです。
事故などで片脚を失った人が、
傷が完治した後に、ないはずの
脚の存在を感じることがあります。
これは、残っている脚の神経の
切れ端が反応して、脳がそれを
脚からの情報と認識してしまう
からです。
これを幻肢といいます。
固有感覚の存在を示す一例です。
ところで、固有感覚には
位置覚と運動覚のいう2種類が
あります。
位置覚は、手足や顔など
位置関係を常に把握するための
感覚で、たとえば自分のヒジや
肩が曲がっているのか、
伸ばされているのか、
感じ取るものです。
運動覚は、体のさまざまな
部位の運動の強さや速さなどを
知る感覚です。
つまり、私たちは固有感覚なしに
体を適切に動かすことはできない
のです。
こうした固有感覚を感じ取る
神経は、全身の皮下組織、筋肉、
骨、関節などに広く分布してい
ます。
私たちは体を実感しながら
日々生活しているのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。