脳のしくみ（脳神経系）18
【脳のクッション】
(脳脊髄液)

私たちの脳は硬い

頭蓋骨で厳重に保護

されています。

骨も軟骨もない、とても軟らかい

組織である脳を守るためです。

ところで、みなさんは大切な

品物を宅配便で送るときに

段ボール箱などを使うと

思いますが、品物を箱の中に

入れただけで送る人はいないと

思います。

もしそうしてしまえば、

輸送中に品物が箱の中で

踊って、壊れたり傷ついたり

するからです。

そこで、宅配便では衝撃を

吸収するクッションや緩衝材

などを入れて品物を保護します。

脳と頭蓋骨の関係も同じです。

脳のためのクッションは水分で、

脳脊随液といいます。

脳に到達した血液から

つくられます。

ただ、脳脊髄液はそのまま

存在するのではなく、
くも膜という綿のような

構造の中に含まれています。

ちょうど、水を含んだ脱脂綿の

ような感じです。

このしくみで衝撃を吸収します。

別な例えでいうと、スーパーで

売っている、水を張った

プラスチック容器入りの

豆腐の様子に似ています。

こうして、頭蓋骨の中の脳は

プカプカ浮いているような

状態なので、頭を激しく

振っても、体操や格闘技の

ようなスポーツで頭を

上下左右に激しく動かしても、

脳が傷つかないのです。

とはいうものの、急激な

衝撃が頭に加わると、

脳は衝撃の加わった

反対方向に動き、頭蓋骨に

衝突してしまいます。

この衝突で一時的に

脳の働きが停止し、

意識を失った状態を

脳振とうといいます。

かなり重大なことであり、

衝撃で脳が壊れている

かもしれません。

脳振とうを軽く見ないで

ください。

ご用心。

最後までお読み下さり

ありがとうございました。