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脳のしくみ(脳神経系)11
脳のしくみ(脳神経系)11
【猫の額】
(前頭葉の働き)
家や部屋などが狭くて
小さいことの例えに
「猫の額」という言葉が
使われます。
そこで、猫の顔を真正面から
じっくりと観察してみます。
よく見ると、猫の目の上には
額も頭もあまり見えません。
毛並みが立っているので
目立ちませんが、前から
頭をなでると、目より
上の部分はほとんどなく、
頭は目の後にあることが
わかります。
つまり、猫に額なんて
ないのです。
犬も似たり寄ったりです。
ネズミは、ミッキーマウスは
別にして、額が全くありません。
他の動物も額がないので、
「猫の額」は猫たちを
不当にさげすむ言葉です。
では、額のある動物には
何がいるのでしょう?
牛や馬には額がありそう
ですが、額というのが
正しいのか微妙です。
一方、猿は明らかに
額があります。
でもそれはかなり狭い
ようです。
今後は「猿の額」
といったほうがいいのかも
しれません。
広い額を持っているのは、
実は人だけなのです。
人の額が広くなったのは、
大脳が発達して大きくなった
ためです。
とくに、大脳の前の部分
である前頭葉が人で大きく
発達したことが、額を広く
なった理由です。
前頭葉には理性、感情、
記憶など人が人として
社会生活をするために
不可欠な働きが備わって
います。
つまり、前頭葉が
「人間らしさ」を
つくっているといえるのです。
人の広い額は、人になるために
必要だったというわけです。
昔は、「オデコの張った子供は
賢い」といわれたものです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。