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脳のしくみ(脳神経系)⑦
脳のしくみ(脳神経系)⑦
【反復練習の意味】
(小脳)
私の大好きなプロ野球も
終盤に差し掛かっています。
選手たちの正確な打撃や
華麗な守備は、日ごろの
厳しい練習の積み重ねに
よるものですね。
ところで、練習すると
上手になるのは小脳の
働きだとご存じでしょうか。
見るからに大きくて
大事そうな大脳に比べ、
もう一つ注目されない
小脳ですが、実は小さくても
とても重要なのです。
ネズミなどでは、大脳より
小脳の方が大きいくらい
ですから。
ネズミがすばしっこいのは、
小脳が発達しているからなのです。
小脳は、体のさまざまな部位の
運動の協調を図る機能が
あります。
それは、腕と足を同時に
使うような運動のときに、
両方の力や動きを加減して、
目的に合わせた運動に
仕上げることです。
これを行うために、
体のあらゆるところの
感覚情報や体の位置の情報が、
小脳に集められています。
同じ姿勢を維持することも、
同じしくみで行われます。
小脳には、この運動の協調の
経験を記憶するしくみが
あります。
スポーツで新しい技術を
覚えるとき、初めは少しずつ
一連の動きを分解しながら
なぞっていますが、それを
反復練習しているうちに、
ぎこちなさがなくなります。
これは一連の動きを小脳が
学習して記憶したからです。
ついには、ほとんど無意識の
うちに的確な体の動きで、
その技術を行うことが
できるようになります。
スポーツの反復練習は、
小脳の運動学習機能を
フルに動かして、小脳に
運動のプログラムを記憶
させることなのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。