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ごはんを食べるしくみ(消化器系)⑨
ごはんを食べるしくみ
(消化器系)⑨
【食物繊維とは】
(食物繊維の役割)
健康を気にする方々の間で
食物繊維は有名です。
「野菜に豊富に含まれている」とか
「肥満を抑える」とか
「便秘の解消に役立つ」とか、
さまざまな利点が報告されて
います。
ところで、食物繊維って一体
何なのか、みなさんご存じで
しょうか。
食べ物に入っている繊維という
ことで、考えるといろいろ思い
つきます。
たとえば、鶏肉のささみなどを
手で裂くと繊維状になりますね。
肉そぼろも繊維状です。
そういえば、手で裂けるチーズも
繊維状です。
でも、これらはタンパク質で
つくられた線維なので、
食物繊維ではありません。
食物繊維とは、炭水化物あるいは
糖類のうち、人が消化分解して
栄養にすることのできない物質の
総称なのです。
その代表的なものがセルロース
です。
「セル」とは、細胞の意味です。
もともと細胞は植物を顕微鏡で
観察して発見されたもので、
セルは植物細胞に特有である
細胞壁でつくられた「小部屋」を
意味している言葉でした。
その細胞壁を構成している物質が
セルロースなのです。
つまり、セルロースは野菜や
果物など植物には豊富に含まれて
いますが、お肉やお魚など
動物性食品には全く含まれて
いないのです。
ではなぜ、「繊維」という
のでしょうか。
それは分子構造に由来します。
セルロースは、でんぷんと同じく
グルコース分子というものが
鎖のようにつながってできて
います。
ただ、グルコースのつなぎ方が
でんぷんとは異なるので、人は
消化分解できないのです。
でも、牛や馬などの草食動物は、
腸内細菌の力を借りてこれを
栄養にすることができるのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。