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ごはんを食べるしくみ(消化器系)⑧
ごはんを食べるしくみ
(消化器系)⑧
【胆のうと脂】
(脂肪吸収機構)
みなさん、胆のうをご存じ
でしょうか。
「胆石ができると痛くなる」
「熊の胆のうは漢方薬になる」
などが思いつかれるところで
しょうか。
「胆のうの働きとは?」
とたずねたら、「胆汁がたまって
いる」が答えになるのでしょう。
では、胆汁はいったいどんな役割
を持っているのでしょうか。
胆汁は、透明で薄く黄色を
帯びた少し粘りのある液体です。
胆のうから胆管を通って
十二指腸の中に放出されます。
「消化に必要だ」と習って
おられると思いますが、
実は胆汁の中に消化酵素は
含まれません。
胆汁は、食べ物に含まれている
脂肪の消化吸収を助ける役割が
あります。
もし胆汁があまり出ないと、
脂肪が吸収できなくなり、
そのためにひどい下痢となって
しまいます。
胆汁には、胆汁酸という物質が
入っています。
これにはちょうどせっけんの
ような作用があり、脂肪を
顕微鏡でしか見えないような
細かい粒にして、水に溶かし
込むことができます。
これをミセル化といいます。
こうすると、膵臓から分泌される
膵液に含まれる、脂肪を分解する
酵素のリパーゼが効きやすくなり
ます。
なぜなら、リパーゼは水に
溶けている酵素だからです。
こうして脂肪は分解され小腸から
吸収されます。
というわけで、液と胆汁は
同じ場所(十二指腸乳頭部)から
分泌されるのが都合がよいのです。
ところで、胆汁は胆のうに
たまっていますが、胆のうで
つくられるものではありません。
胆汁は肝臓の細胞でつくられて
胆のうにためられ、濃縮されて
使われます。
だから、病気で胆のうを取って
しまっても、そんなに困らない
のです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。