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ごはんを食べるしくみ(消化器系)⑦
ごはんを食べるしくみ
(消化器系)⑦
【お酒に強い人、弱い人】
(肝臓のアルコール代謝)
消化管から吸収された
アルコールは血液中に入り、
全身に回ります。
アルコールの血液中濃度が
0.02~0.04%ならば、気分が
爽快になり、気持ちの良い
ほろ酔いになります。
ビールで大ビン1本以下、
日本酒で1合以下ぐらいです。
血液中のアルコールは本来、
体にあるべきものでは
ありませんので、主に肝臓で
不要なもの(あるいは毒物)
として代謝処理されます。
肝臓に到達したアルコールの
80%はアセトアルデヒドという
有害物質にいったん分解され、
さらに体に対しては全く無害な
酢酸に変わります。
アセトアルデヒドを酢酸に
変える酵素は、作用の強さにより
二種類に分かれます。
日本人の40%以上の人は弱い方の
酵素しか持っていないので、
有害物質であるアセトアルデヒドが
血液中にたまりやすく、吐き気、
頭痛などを引き起こします。
この症状は人によってはほろ酔い
状態のときにも出現します。
こういった人が「お酒に弱い人」
です。
一方、肝臓に達した残りの
20%程度のアルコールは、
別のしくみで代謝処理されます。
このしくみはアセトアルデヒドを
生じないでアルコールを分解処理
できます。
もともとはあまり働いていない
わけですが、お酒を常に飲んで
いると、このしくみの働きが
高まり、少しのお酒では酔わなく
なります。
よく「お酒は鍛えると強くなる」
といわれるのはこのことをさして
います。
しかし、お酒で「鍛えた」肝臓は
かなりの負担を強いられている
ことになり、肝障害が起こりやすく
なると考えるべきです。
お酒で鍛えた経験のある方、
ご用心を。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。