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ごはんを食べるしくみ(消化器系)②
ごはんを食べるしくみ
(消化器系)②
【胃とお酒】
(アルコール吸収)
お酒と接する機会の多い方も
いらっしゃると思います。
養生の方法として、
「カラ酒を飲まないようにする」
というのがあります。
空腹のまま宴会が始まって
「乾杯!」と
ビールやワインなどを一気に
流し込む。
一気に酔いが回って、
とかく悪酔いのもと。
だから、事前に何か食べ物を
少し食べてから飲むべきだと
いうのです。
この養生訓に対する医学的な
説明は「アルコールは胃の
粘膜から吸収されるので、
食べ物を胃に入れておけば、
アルコールの吸収が遅くなり
酔いが回りにくいというもの
です。
この考え方は正しいのですが、
広く知られるようになるにつれ
アルコールを吸収するのは
胃であるという誤解が生まれて
しまいました。
実は、胃はアルコールを
吸収するための特別なしくみを
持ち合わせていません。
アルコールは、むしろ体の
いたるところから吸収される
ものなのです。
皮膚や鼻や口の粘膜からでも
吸収されるのです。
ですから、お酒に弱い人は、
お酒のにおいをかいだだけで
酔ってしまいます。
プロ野球の祝勝会のビールかけ
では、選手たちは飲んでいなくて
もたちまち酔ってしまいます。
口から入ったお酒は、食べ物と
同じく胃でためられるので、
その間にお酒が胃の粘膜に直接
触れて、アルコールが素早く
吸収されるのです。
さらに、酔いが回ってくると、
胃の運動が抑制されるので、
お酒はより長く胃にとどまり、
胃の粘膜からアルコールが吸収
され続けるのです。
カラ酒は、やはり体によくあり
ません。
乾杯の前に、アルコールから胃壁
を保護する効果のあるチーズを
ひとかけ口にしてはいかが
でしょう。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。