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息をするしくみ(呼吸系)⑨
息をするしくみ(呼吸系)⑨
【うぶごえ】
(第一声)
人は「オギャー」と
うぶごえを出して生まれます。
では、赤ちゃんはなぜ声を出して
生まれるのかご存じでしょうか?
世の中に生まれ出て、その感動で
泣いているわけでは、もちろん
ありません。
第一、赤ちゃんは涙を流して
いません。
それに、いつまでも泣いている
わけでもありません。
差はありますが、通常5、6回
ぐらい声を出すと泣きやんで、
スヤスヤと眠っています。
専門的には、うぶごえのことを
第一呼吸と呼びます。
世の中に出てきたときの
初めての呼吸が、うぶごえを
つくるのです。
もちろん声ですから、息を
吐いたときに出ます。
息を吐くためには、吸わないと
いけません。
うぶごえを出す寸前に、
赤ちゃんは初めて
息を吸うのです。
そうすると肺の中に初めて
空気が入り、肺が膨らむのです。
お気づきだと思いますが、
お母さんのおなかにいるときの
赤ちゃんの口の周りは、すべて
羊水で、肺の中には空気は
ありません。
生まれて初めて、肺に空気が
入り風船のように膨らむのです。
ところで、新品の風船は
膨らみにくく、しぼみやすいもの
であることをご存じの方も
多いと思います。
肺も同じで、息を吐くときに力を
抜くと、せっかく膨らんだ肺は
すぐに元通りにしぼんでしまい
ます。
そこで、肺がしぼみにくくする
ために、ノドを締めて息を吐き
ます。
これが声を生じさせます。
何回か繰り返すと、肺は十分膨らみ
もう普通に息をしても肺はしぼみ
ません。
こんな巧妙なことを人は誰もが
経験して、大きくなったのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。