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血液が体をめぐるしくみ⑦
血液が体をめぐるしくみ⑦
【毛細血管って何?】
(微小循環)
ケガをすると血が出ます。
血管は皮の上からは見えますが、
明らかに血管のないところに
ケガをしているのに、そんなに
深く切ったわけでもないのに、
スリ傷ぐらいでも、血は出て
ますね。
血液は血管の外に存在しないので
出血は血管が破れたことの
証しです。
つまり、私たちの目には
見えない細い血管が体中に
張りめぐらされてる
この細い血管のうち、
いちばん細くで無数に
分布しているものを
毛細血管といます。
毛細血管の壁は基底膜という
網状の構造の上に、内皮細胞
という平べったい細胞を置いた
ようなつくりになっています。
ちょうど、もち網の上におもちを
並べて置いたような感じです。
このように、毛細血管の壁には
すき間がたくさんあるのです。
このすき間はとても狭いので、
赤血球や血小板、大きな
分子であるタンパク質は
通れません。
でも、水分、糖分、アミノ酸、
ビタミン、塩分、酸素、
二酸化炭素などは簡単に
通過できます。
ところが、太い血管では、
このようなすき間がなく、
物質は一切通過できません。
つまり、血液で運ばれてきた
細胞にとって必要なものは、
毛細血管に到着して初めて
細胞に渡されるのです。
同時に細胞から出てきた
不要なゴミも毛細血管から
回収されます。
毛細血管のしくみは巧妙です。
血液が流れるだけで、
この物質の交換を行えるのです。
もし血液の流れが止まって
しまうと、毛細血管の中に
血液はあるのですが、物質の
交換が行えなくなり、細胞が
死んでしまうのです。
毛細血管は髪の毛より細くて
頼りないように見えますが、
実は私たちの命をしっかりと
支えているのです。
最後までお読み下さり
ありがとうございました。