ダイアモンドは比較的簡単に欠けるってご存知ですか？

確かにダイアモンドのモース硬度は10で自然界では最も硬い物質です。
他のどんな物で擦っても傷は付きません。

ところがダイアモンドの結晶構造にはある一方向に原子間の隙間が広い方向があります。
その方向に力が加わると意外に簡単に割れてしまいます。

その性質は劈開性と言い、その方向に沿った欠けをクリベージュと呼びます。

ダイアモンドの品質表示は4Cで表されますが、その１つにクオリティがあり、
微小な内包物の多寡等により判定されます。その時にこのクリベージュがあると評価はより低くなります。

それはダイアモンドが欠ける危険性を含んでいるからです。
もしクリベージュがダイアモンドの外側まで達していて、それが枠の爪下にある場合は
特に注意が必要です。

強く指輪をぶつけてしまって、その衝撃がダイアモンドのクリベージュをさらに
拡げてしまう危険性があるからです。一般的に宝石を枠にセッティング（石留）する時には、傷が端にあってそれが爪に隠れる場合は隠すものです。

宝石は金額は勿論ですが、それ以上に大切な思い出が籠る物です。
宝石の特性や状態を良く知って大切になさって下さい。