前回からの続きです。燃焼系の作用を持つカプサイシンの欠点である、「辛さ」を弱めたカプシエイトは、脂肪燃焼サプリメントとして期待され、現在味の素㈱から機能性表示食品として「カプシEX®」が販売されています。もともとCH-19甘という品種で見つかったカプシエイトですが、より多くのカプシエイトができるよう、品種改良が行われました。目的の品種改良は達成できたのですが、残念ながら実際のサプリメントの生産に利用されることはありませんでした。この時に品種改良を行った研究者が、たまたま改良したトウガラシの果実を食べてみたところ、意外と美味しいのではないか？と思ったのが、香辛子が誕生した瞬間です。
サプリメントの原料ではなく生鮮野菜としての利用価値がある、ということで、味の素㈱の地元、川崎市とJAセレサ川崎が協力して野菜としての共同開発を進め、「香辛子」として販売されることになりました。

ベンチャー企業が、開発途中で方向転換することをピボットと言いますが、香辛子は正にピボットして事業化できた例ですね。まだまだ認知度が低い香辛子ですが、ツクツクショップを通してどんどん広めていきたいので、是非、御協力をお願いします！