世界を作っているのは誰?

世界は、誰かにつくられるものじゃない。


昔の私は、YESマンだった。


「はい!やります!」
「行きます!」
「大丈夫です!」


YES か はい か 喜んで

それが優しさだと思っていた。

それが責任感だと思っていた。


それがコミュニケーション能力だと思っていた。


超多忙でも、振られた仕事はYES。


友達との約束があっても、
「残業お願いできる?」
と言われたらYES。


本当は疲れていてもYES。

本当は行きたくなくてもYES。


若かったし、仕事も好きだった。


だから、あの経験を無駄だったとは思わない。


むしろ、あの頃の私がいたから今の私がある。



でも、いつからか苦しくなった。


「なんで私ばっかり。」

「私はこんなに頑張っているのに。」

「どうして分かってくれないの。」


そんな気持ちが、少しずつ増えていった。


そして私は、気づいた。



昔の私は、YESしか言えなかった。

だから、相手のYESも信じられなかった。


「大丈夫です!」


と言われても、


『本当は無理してるんじゃないか。』
『本当は嫌なのに断れなかったんじゃないか。』


そんなふうに、相手の本音を探していた。


だって、自分がそうだったから。


自分のYESには、「NO」が隠れていた。

だから、相手のYESにも「NO」が隠れているように見えていた。




そこから少しずつ、境界線を引くようになった。


「この件を処理中なので、これが終わってからになります。明後日の○時頃までなら可能ですが、いかがでしょう?」

「その日は約束があるので、○時までなら対応できます。」

「今回は難しいです。」


最初は怖かった。

断ったら嫌われると思った。

信頼を失うと思った。


でも、実際に起きたことは真逆だった。


むしろ、以前より信頼してもらえるようになった。


お願いもしやすくなった。

お願いされることも増えた。


そして何より、

人に対して、優しくなれた。



私はずっと、

「世界には、察してくれない人がたくさんいる。」

と思っていた。


でも違った。


本当は、

私は『みんなNOと言えない世界』に住んでいたのだ。


だから、

人の顔色を読む。

無駄な詮索をする。


「忙しいのに頼んじゃったかな。」

「本当は帰りたかったかな。」

「嫌だったかな。」


そして、NOと言われた時には傷つく。


「私はいつもYESなのに。」

そんなふうに、世界を見ていた。



でも、自分がNOと言えるようになったら、

見える景色が変わった。


「無理なら断ってくれるだろう。」

「嫌なら嫌って言うだろう。」

「断られても、それは私が否定されたわけじゃない。」

そう思えるようになった。


すると、

人を信頼できるようになった。

頼ることもできるようになった。


断られても、「じゃあ次を考えよう」と思えるようになった。


YESをもらった時には、

「選んで引き受けてくれたんだ。」

と、心から感謝できるようになった。



世界は変わっていない。


同じ職場。

同じような人間関係。

同じような出来事。




でも、

私の世界は変わった。




なぜなら、

世界の見え方を決めていたのは、

出来事そのものではなく、


その出来事をどう捉えるかという、

私自身の在り方だったから。




私は、「環境のせいにするな」と言いたいわけじゃない。


理不尽なこともある。

傷つく出来事もある。

どうにもならないことだってある。



でも、

自分の人生のハンドルだけは、

誰にも渡さないでほしい。



自分をどう扱うのか。

相手をどう見るのか。

何を大切にするのか。

何を許して、何を許さないのか。

どんな世界を信じるのか。


その選択は、いつだって自分にある。



ビジネスも。

パートナーシップも。

子育ても。

友人関係も。


すべてはコミュニケーションでできている。



そしてコミュニケーションとは、

「話し方」や「言い回し」の前に、



どんな在り方で相手と向き合うのか



ということなのだと思う。



自分を犠牲にして相手を優先するのは、自己犠牲。

自分だけを優先するのは、わがまま。



大切なのは、

自分も尊重すること。

相手も尊重すること。



そして、

「どうしたら、お互いの喜びを叶えられるだろう。」

「どこなら、お互い納得できる着地点があるだろう。」

そう問い続けること。



たぶん、私が人生をかけて伝えたいことは、これなんだと思う。



あなたの世界は、あなたがつくっている。



誰かを変え続けなくてもいい。

誰かの正解を生きなくてもいい。

まずは、自分の在り方を見つめること。



すると、驚くほど世界は変わり始める。



変わったのは、世界じゃない。

世界を見ている「自分」だった。



そしてその瞬間から、

人生のハンドルは、もう一度、自分の手に戻ってくるのだと思う。



* * *


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